今年で2年目になる鋳造による青銅鏡づくりを11月10日(土),11月24日(土)に実施致しました。両日ともに晴れていて、清々しい秋晴れのなか生徒は8時30分に集合し青銅鏡の作成を始めました。この講座は、電気部の生徒が、準備含めて当日の作業にも大きく貢献してくれています。昨年の実践をもとに、講座開始前からテキパキと準備をすすめてくれていました。
まずは、鋳造砂による砂型づくりを行います。青銅鏡の型を砂に入れてしっかりと砂を突き固めます。しっかりと突き固めることで、細かい模様がしっかりと出すことが出来ます。砂型は最後に二酸化炭素を吹きかけると、しっかりと固まります。生徒は、初めての体験に興味津々、先生の説明をよく聞いていました。
次に、コークスを使用した炉で融かした青銅を砂型に入れると、青銅鏡の形に金属が固まります。生徒達はコークスの燃焼も初めて見るため、高い温度と炎の勢いに驚きです。スマホで鋳込む作業を撮影する生徒も多かったので、一番興味をもった場面だと思います。
その後、砂の部分をハンマーで落とし、グラインダーやヤスリで研磨しピカピカな鏡を作り上げることができました。今年度は銅の割合を増して作成したため、磨き上げた鏡面は黄金色に輝き、自分の作品に大喜びです。教科書に掲載される青銅鏡や博物館に展示される青銅鏡は、錆びているものがほとんどです。黄金色の青銅鏡をみれたことも一つの良い経験だと思います。
作業終了後に参加生徒に一言聞いてみると、磨きの作業を振り返る生徒が多くいました。現代の工具を活用した青銅鏡づくりから、古代の人々がどのような道具を使っていたのかについて思いをはせていたようでした。
終了したのは15時頃でした。教員もお手伝いの生徒達もへとへとでしたが、とても楽しい一日でした。
実は、この「青銅鏡を作る」講座を実施するうえで問題だったのが、銅の価格です。近年、銅はとても高価で生徒達に銅を提供することが難しかったのです。いろいろな方面に相談していたところ、大阪府の金属リサイクル「有限会社 古谷商店」様から教育目的で破格の価格で銅を提供していただけるお話をいただき、この講座が実現しました。この場を借りてお礼を申し上げます。
有限会社 古谷商店
http://www.e-furutani.com/
また、鋳造に使用する「るつぼばさみ」を鎌倉の刀工師 出島宏一様に原材料代のみで作成していただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
写真は刀工師出島さんが「クサナギの剣」を文献をヒントにイメージして木型から作ったものです。ペーパーナイフ程度には切れるそうです。