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中学1年生 社会の授業

2024/07/19

中学1年生の社会の授業の様子をご紹介します。

本時は東南アジアの農業・工業・経済について学びました。

東南アジアの農業といえばプランテーション農業。

プランテーション農業とは、熱帯・亜熱帯の気候を生かし、広大な農地で金銭や現地の労働力を使い大量に耕作させる農業のことであり、このプランテーションで育てられているものは油やし・天然ゴム・バナナ・コーヒーといった、輸出を目的とした作物です。

実際に栽培されている作物がどのようなものなのか、資料集やスクリーンに映し出された写真を見ながら学びます。

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コーヒーの写真をみて、「コーヒーの実っておいしいんですか?」という生徒の質問。

実はコーヒーの実の中はほぼ種で果肉はほとんどないそうです。赤い実の中にある種を乾燥させて煎ったものが我々になじみ深いコーヒー豆になります。

プランテーション農業とはなにかを理解したところで、次は東南アジアではこのプランテーション農業がなぜさかんなのか、プランテーション農業がもたらす影響などについてを考えていきます。

かつて東南アジアは欧米によって植民地支配されていました。

栽培したい作物の農園を東南アジアにつくり、現地の人々を労働力として農業が行われていたのです。

プラント=植える

天然ゴムや油やしなどプランテーションで栽培される作物は、収穫するために人間が植えたものであり、もともとあったわけではありません。

プランテーションで作物が育てられる前、そこにはなにがあったのでしょうか?

この写真、一見すべて同じ作物に見えますがよく見ると様々な種類の緑が広がっています。

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川の手前の部分がプランテーションで奥は熱帯林であることがわかります。

ということは、以前は手前の部分も熱帯林で、それを伐採したり燃やしたりすることで、育てたい作物を育てられている今につながっていることがわかります。

言い換えると、プランテーション作物の需要が増えることによって、熱帯林やマングローブ林が減少しているということです。

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2020年にベトナムから日本にやってきた農林水産物のトップ4は以下の通りです。

1位 木材チップ

2位 エビ(生鮮・冷凍)

3位 エビ(調整品)

4位 コーヒー豆

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コーヒー豆は先程プランテーションで栽培しているということがわかりましたが、このエビはどういうところで育てられているのでしょうか?

ベトナムをGoogleアースで見てみました。

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海の近くにエビの養殖池を発見しました。養殖池の中は上からみると白っぽいです。

例えば、お家で金魚やメダカを飼う時、エアーポンプなどを使って水槽内に酸素を送りますね。

それが養殖池の中でも行われているので白く見えるのです。ということはこの養殖池の中では大量のエビが育てられていることがわかります。

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少し話が変わりますが、日本には回転寿司チェーンのお店がたくさんあります。皆さん一度は行ったことがあるのではないでしょうか。

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なぜ日本の回転寿司チェーンでは「1皿100円台」で儲けが出るのか。

お寿司のネタはマグロやサーモンといろいろありますがここでは先程出てきたエビに焦点を当てて、またスシローの経営戦略などから考えていきます。

「スシローのホームページを見たことはありますか?」

スクリーンに映し出されたページには、スシローでネタとして使われているものの生産地が全て載っていました。

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よく見てみると、エビはベトナムやタイ産のものがほとんどであることがわかりました。

ベトナム・タイ以外にもデンマーク・カナダなどもありましたが、デンマーク・カナダ産のエビは、冷たい海に生息する甘エビなどでした。

そういえば、エビ(生鮮・冷凍)と、エビ(調整品)の2つ合わせると木材チップより輸出額は多くなりますが、「エビ調整品」とは何でしょう?

と、その前に。東南アジアの工業について見ていきましょう。欧米から植民地支配を受けていた東南アジアの独立直後はどういう状態だったのか。

天然資源である石炭やスズ、先程のプランテーション作物の生産や栽培によって経済を成り立たせてきました。これをモノカルチャー経済といいます。

「モノ」は1つの、「カルチャー」は文化(栽培)

つまり「一つの栽培」。

一つの栽培では、バナナが取れない、コーヒーが取れないとなると売るものがなくなってしまいます。

例え収穫できても何らかの要因で値段がガクッと下がった場合、売っても売ってもお金が入ってこないという状況に陥ってしまうのがモノカルチャー経済のデメリットです。

例えば自動車、パソコン、スマートフォンなど色々なものを売ることができれば国の収入源を多方面に持つことができるので何かあっても安心ですね。

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しかしそれも、いきなりできるわけではありません。

技術や資金を持っている外国の企業を誘致、そして生産してもらうという手順を踏みます。そうすることで自分たちの国に新しい技術や新しい技術を導入するための資金を手に入れられるのです。

エビも加工されていないものだけを輸出するのではなく、その工場で殻を剥き、小麦粉・卵・パン粉をつけて、油で揚げたらエビフライが完成する状態にしたものなどに自国で加工してから生産しています。それが先程疑問点として出てきた「エビ調整品」というものです。

プランテーション農業のデメリットとは何だったでしょうか?

そう、新しい作物を植えることによって環境破壊が起こってしまうということでしたね。では、なぜそれでもプランテーション農業を続けるのでしょう?

その理由の一つは外貨を得る為です。

身近な例で考えてみましょう。例えばお年玉。これは家族間でお金が移動するだけで、貰った人のお金は増えますが、日本国内のお金の量が増えているとはいえません。

自国のお金を増やすには輸出することで外貨を得る必要があるのです。

地図帳や教科書だけでなく、たくさんの写真やGoogleアース、身近な生産地などのデータ、日常からイメージしやすい例え話などによって、世界の農業、文化、経済などをより近くに感じられる授業でした。

東南アジアの経済・産業などについては次回も引き続き勉強していきます。

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学習活動

夏休み見学会(7月22・23・24日)のお知らせ

2024/07/18

夏休み見学会のお知らせです。

夏休みの学校の様子を見てみませんか?

30分程の説明会の後、グループに分かれて教員がご案内します。

以下の日時で全6回行います。所要時間は各回90分程です

7月22日(月) 10:00~

7月22日(月) 13:00~

7月23日(火) 10:00~

7月23日(火) 13:00~

7月24日(水) 10:00~

7月24日(水) 13:00~

7月6日(土)9:00から申し込み受付開始です

お申込み、および詳細の確認はこちら(イベント申し込みサイト)からお願いします。

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説明会・公開行事情報

帰国生入試説明会 お申込み受付中

2024/07/18

7月26日(金)、本校徳間記念ホールにて、帰国生入試説明会を対面にて開催します。

帰国生の普段の学校生活の様子や、帰国生入試問題の解説と勉強法のアドバイス、2025年度帰国生入試要項の内容などを知っていただく機会となればと思います。

全体への説明会のあと、小グループにわかれて、校内施設見学や個別相談なども実施できればと考えています。

お申込み、および詳細の確認はこちら(イベント申し込みサイト)からお願いします。

また、本校の帰国生入試をご検討くださっている方で、こちらの説明会にご参加いただけない方には説明会の事後、説明会の動画や当日の配布資料をメールでお送りすることもできます。

ご希望の方は、逗子開成HPのお問い合わせからご連絡ください。

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説明会・公開行事情報

【シネマ倶楽部】『ライフ・イズ・クライミング!』鑑賞文

2024/07/17

7月3日に高校2・3年生が『ライフ・イズ・クライミング!』を鑑賞しました。


(作品概要)

視力を失ったクライマーのコバ(小林幸一郞)。頼れるのは彼の目となる視覚ガイドのナオヤ(鈴木直也)だけ。「右手、1時半、遠め。右、右、右!」、遠くから聞こえる相棒ナオヤの声を自分の目のように頼り、8の字結びのロープでつながり、命をゆだねて岩を登る。世界選手権4連覇を成し遂げた2人が、次に目指したのは、ユタ州の大地にそびえ立つ真っ赤な砂岩フィッシャー・タワーズのてっぺんに立つこと――
想像を超える大自然、何億年もかけて作り上げられたダイナミックな岩山の絶景、人生を変えた恩人との再会。そこにあるのは、とびきりポジティブな心と溢れる笑顔、そして、ゆるぎない2人の絆。困難を前にしても嘆かない、諦めない、逆に楽しむ! 爽快、胸アツ、時にスリリングな映画みたいなほんとの話。

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※生徒の鑑賞文には映画の内容も含まれますのでご注意ください。

(S3C Iくん)

盲人によるロッククライミング。最初にこの映画のあらすじを知ったとき、僕がイメージしたのは、ブラインドマラソンだった。だが、クライミングで走るときと同様の伴走ができるものだろうか?そんな疑問も抱いたので、そのサポートが声かけによるものだと書いてあったのを見て、腑に落ちると同時に、心のどこかで、つまるところサッカーの試合における監督と選手の関係のように理解している自分がいた。

だが、そんな想像は序盤で早々に打ち砕かれることになる。僕の目に飛び込んできたのは盲目であることが信じられないほどスイスイと登る小林さんと、地上を縦横無尽に駆け回りながら声を出し続ける鈴木さんの姿だった。場面はこれまで二人が挑み続けてきたパラクライミングを振り返るシーン。この瞬間僕は二人の関係が監督と選手でも、ましてや応援する人と選手でもない、進む方向が前か上かという違いはあれど、二人三脚で進むチームであることを理解した。

この作品に出てくる人物は、それぞれに壁に挑んでいたということも興味深い。小林さんは勿論、英語ができなかったのにアメリカに渡った鈴木さん、社会復帰を諦めていない西山さん、孤独ではなく仲間との冒険を選んだエリックさん。それぞれの生きる姿は、とても印象深かった。

しかし何といっても一番は、ラストのフィッシャー・タワーズに挑む二人だ。途中小林さんが靴を落とすというアクシデントに見舞われながらも、二人は笑っている。そこに真剣さはあっても深刻さはない。そしてついに頂上に立った小林さんは、白杖を天に掲げる。それは全力で生を謳歌する一人の人間の、魂の叫びだった。

壁に挑むことを選んだ者にしか見えない景色がある。それを、僕もいつか、見てみたい。

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シネマ情報

2024年 中学3年生遠泳大会

2024/07/08

7月5日(金)、中学3年生の遠泳大会が行われました。

朝8時半、グラウンドに生徒が集まり整列完了。

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そしてグラウンドの端では先生達とライフセーバーの方々が集まり最後の打ち合わせをしていました。

この日のためにたくさんのご準備ありがとうございました。

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生徒司会のもと開会式が行われました。

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校長先生の話

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学年主任の話

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代表生徒の話

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白い体操服を着ているのはこれから遠泳大会に挑む中学3年生。

薄紫色のTシャツを着ているのは水泳部。そして紺色のTシャツはヨット部の生徒たち。

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遠泳大会を実施するために協力してくれる水泳部とヨット部に感謝の気持ちを伝えます。

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3年間ずっと一緒に歩んできた体育の早水先生からの話

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開会式が終わり、海へ向かいます。

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トンネルを抜けると眩しい太陽と青空が広がっていました。

遠泳日和!

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遠泳が始まる前の海では、ヨット部と水泳部たちが救助艇の準備をしてくれています。

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中学3年生は第1団、第2団、第3団と3つのグループに分かれて出発します。

第2団の生徒たちはテントの下で待機です。

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第1団の生徒たちが準備を終え集まってきました。がんばるぞ!

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泳ぐ前には準備体操をしっかりと。

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いよいよ出発です。

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ライフセーバーの方々と周りを泳ぐ水泳部たちがみんなの安全を守ります。

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いってらっしゃい!

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海岸からはたくさんの保護者の方々が見守ってくださっていました。

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本部からは校長先生も生徒たちの完泳を祈り見守ります。

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いつの間にか海岸からはほとんど見えないほど遠くまで泳いで行ってしまいました。

みんながんばれ!

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第1団の生徒たちのビーチサンダルも、まるでみんなの帰りを待っている様です。

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逗子開成ビーチサンダルを発見!

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砂浜ではみんなの帰りを待ちながら、海岸の枯れ木やごみを拾っていました。

環境のことを考え、こうした行動ができるからこそ、遠泳やヨット実習のような学校の行事として逗子の海を使うことが出来るのですね。

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出発から30分後の海。

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本部のテントには生徒がたくさん。

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熱中症対策のひとつとして、たくさんのスポーツドリンクや飴などが用意されていました。

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待機していた第2団の生徒たち。先生が出発に向けての話をし終えると、「やっとはじまる!」と立ち上がり、泳ぐ準備をはじめます。

準備が終わり、再び海へ戻ってきた生徒たちに先生が水をかけてあげていました。

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まだまだかけます。

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後ろを振り返るとヨット部が何か運んでいました。

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遠泳完泳のゴールの準備をしてくれていたのですね。

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あとちょっと!

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ゴール!

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列ごとに手をつないだ第1団の生徒たちが戻ってきました。

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「バディ!」という先生の声とともに、繋がれた手が高くあがります。

第1団のみんな、おかえりなさい。

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そして写真撮影。泳ぎ切った達成感、眩しい笑顔でハイチーズ!

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第2団、出発。

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遠泳を終えた第1団、砂を落としてシャワー室へ。

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途中すれ違った、第3団の生徒たち。

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そして海洋教育センターに向かうと、着替え終わった生徒たちにおしるこが配られていました。

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第2団も無事帰って来ました。

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おかえりなさい!

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おしるこで乾杯!

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勢い余ってこぼれそうになりながらも楽しそうです。

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1500m泳ぎ切った後もまだまだ元気!

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と思ったら.........

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さすがに疲れちゃいましたよね。みんな頑張りました。本当にお疲れ様でした。

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海岸に向かう途中、「えーんやこーらー!」と風に乗って掛け声が聞こえてきたので海の方に近づくと、遠くに第3団の泳いでいる姿が見えました。

遠くて顔は見えないけれど、掛け声でみんなの表情が浮かんできます。

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第3団も完泳しました!

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閉会式

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校長先生

「長い間練習してきたこと、今日は自分を思いっきり褒めてあげてください。遠泳は卒業生に聞いても人生の中で思い出に残ったと語られる行事なので、今日の出来事を仲間と語りながら人生のプラスにしていってください。」

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学年主任町田先生

「『奇跡のような行事』を無事終えられたこと、とてもよかったです。」

「泳いでいる最中も、声をかけ合って......」と言葉が詰まり、涙ぐみながら話をする先生。自分自身に泳ぎに不安があるにもかかわらず周りの友達に「がんばろう、がんばろう」と声をかけ続けていた生徒を思い出してのことだったそうです。

町田先生のお話から、本当に今日の遠泳という行事が『奇跡のような行事』であり、それを無事終えることが出来たこと、今までのたくさんの人の協力、生徒の頑張り、全てを語らずともそんな気持ちがみんなの心に届き、気づくと生徒からは自然と拍手が起こっていました。

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代表生徒

「僕はこの学校に入る前まで泳ぎが苦手で、この日まで必死に練習してきました。今日無事に完泳できたのは先生方の指導はもちろんですが、その他にもたくさんの人の協力があってできたことなので感謝しています。

そして無事に完泳できて、本当に、安心しました。」

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早水先生

「君たちのやりきった、達成したという顔を見て本当に良かったと思います。そして、みんな本当によく頑張ったと思います。本当によく頑張った。その言葉に尽きます。」

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協力してくださった方々に感謝の気持ちを伝えました。

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今日を無事に終えるために協力してくださった方々、本当にありがとうございました。

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そして中学3年生のみんな、本当に、本当にお疲れ様でした!

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学校学年行事
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