1906(明治39)年、第二開成中学校の経営の苦しさを訴えて寄付を募る田辺新之助校長の求めに応え、高橋是清、団琢磨、東郷慎十郎など、政財界の多くの方々が多額の寄付をして下さいました。田辺先生の恩師であった高橋是清や、次男伊能が第二開成中学校に在学していた三井の団琢磨、共立学校時代の教え子である東郷慎十郎らについては寄付の背景・動機がよくわかるのですが、寄付者芳名帳に記されている政治家・実業家の田艇吉(1852~1938)、その弟で政治家の田健治郎(1855~1930)については、田辺先生との関係や寄付をするに至った背景について何か釈然としないものがありました。
田艇吉と田健治郎がそれぞれ50円(今日の価値としては30~40万円ほどでしょうか)を寄付した1906(明治36)年からはずっと後のことになりますが、1932(昭和7)年前後、田辺先生、漢詩人田辺松坡は立憲民政党議員を中心とした漢詩会「忘機吟社」の詩会に頻繁に参加していました。参加者には、衆議院議員で浜口内閣の政務次官を務めた小川郷太郎(号は松軒)、首相若槻礼次郎(号は克堂)、岡田内閣で文部大臣を務めた松田源治(号は獨靑)、衆議院議員石塚三郎(号は松籟 堤義明の祖父)などがおり、第二次若槻内閣で大蔵次官を務めた田昌(号は柏軒)の名も見られます。小川郷太郎と田昌は東京開成中学校での田辺先生の教え子でもありました。田姓にはっとしました。田昌は寄付をした田艇吉の長男で、田辺先生と田艇吉が繋がりました。更に、田艇吉が楓軒と号して漢詩をよくしたことも判りました。
戦前までの政財界人の教養の一つに漢詩を詠むということがありました。松坡先生と個人的に親しかった松方正義、樺山資紀、大江卓、若槻礼次郎は優れた漢詩人で、樺山資紀(号は華山)の漢詩集『二松庵詩鈔』(1923)は樺山資紀の没後、松坡先生がその遺稿から編んだものです。幕末に豪農の家に生まれた田艇吉も幼少時から漢学・漢詩に親しんでいました。松坡先生が杉浦梅潭を助けて1890年(明治23)頃から幹事を務めた晩翠吟社の詩人と艇吉が親交を持っていたとか、詩会に参加した可能性もあります。いずれにせよ、田艇吉にとって田辺先生は長男の恩師の一人であり、漢詩を愛好する同志だった訳で、田辺先生が困難な状況にある中、寄付をする十分な動機・理由があったということになります。
艇吉の弟である田健治郎についてはどうでしょうか。兄と同じように漢学・漢詩の素養があった筈です。「萬象閣雅集、呈在座諸公」と題された松坡先生の漢詩二首を『漢詩春秋』第16巻第10号(1932年10月)に見つけました。「萬象閣」と呼ばれた邸宅で雅集(ここでは漢詩の集まり)が開かれ、その折に同座した人々に示した作です。この集まりには、『漢詩春秋』の編集人兼発行人であった上村賣劍も参加しており、賣劍が詠んだ詩の序からこの会が8月に忘機吟社の月例会として「故讓山田子邸萬象閣」で開かれたことが判ります。「故讓山田子」は「故讓山田健治郎」であり、「萬象閣」は東京府荏原郡玉川村(現東京都世田谷区)上野毛の田健治郎の自宅でした。健治郎はこの二年前に亡くなっていますが、その邸宅で詩会が開かれたのです。松坡先生の詩の其の一の尾聯(第7、8句)には次のようにあります。
伊人不見幾囘首 伊(か)の人 幾たびか首(こうべ)を回(めぐ)らせども見えず
當代奇才田讓山 当代の奇才 田讓山
「『漢詩春秋』所収の松坡先生の詩」
亡き讓山田健治郎を追想するさまが詠まれ、その人を当代の奇才と称えています。松坡先生と田健治郎の間に漢詩を介しての深い友情があったと考えてよいのだと思います。この交友が恐らくは明治30年代から続いており、その交友の中での1906(明治39)年の寄付ということになったのではないかと推察されます。
寄付者の一覧を見直してみると、漢詩を仲立ちとする以外には松坡先生との交友が考えにくい人物が何人かいます。寄付者の一人一人について田辺先生との関係を改めて確認する作業が必要だと感じています。
最後に余談。田健治郎の孫の一人がジャーナリストで政治家の田英夫(1923~2009)です。また、田健治郎の萬象閣は後に五島慶太の手に渡り、現在、旧五島邸の一部は五島美術館になっています。
2021年度の開成祭は、新型コロナウィルスの感染状況を考え、
拡大防止のための制限をかけながら下記の通り開催いたします。
・10月22日(金),23日(土)の2日間で開催します
・生徒,保護者,教職員のみの開催とし、一般公開はいたしません
受験生や卒業生の皆さまには来場を楽しみにして下さっていたところ、
このような形での開催となり大変申し訳ないです。
当日の内容や各団体が作成する動画につきましては現在特設サイト上での公開を実行委員会で検討しています。
詳細につきましてはホームページ,Facebookなどでお知らせいたします。
(開成祭実行委員会)
今年のオープンキャンパスは感染症拡大防止のため、全てオンラインで開催します。
※来場型のイベントではありません。ご承知おきください。
下記URLの特設サイトで、各教科の体験授業動画をお楽しみ下さい!
内容は随時追加していく予定です。
https://sites.google.com/zushi-kaisei.ac.jp/2021/
<更新情報>
2021年9月22日 音楽科のお部屋(中1カップス)
2021年7月19日 ヨット部(ある日のヨット部の活動)
2021年7月2日 学校案内パンフレット(PDFデータ等)
2021年5月26日 音楽科のお部屋(高1トーンチャイム演奏、ピアノコンサート)
2021年5月22日 サイトオープン
各ホームルーム教室か放送による全校集会を行いました。
校長、生徒会長、生活指導部長から話がありました。
(表彰)
<中学水泳部>
団体
・逗子葉山中学校水泳競技大会男子総合 優勝
・神奈川県中学校水泳競技大会横須賀ブロック大会 男子総合の部 優勝
・令和3年度神奈川県中学校水泳競技大会 男子総合第8位
添田 重樹
・神奈川県中学校総合体育大会水泳競技大会 男子100m背泳ぎ 優勝(59秒49 大会新)
・第61回全国中学校水泳競技大会 男子100m背泳ぎ第3位(58秒79)
・令和3年度神奈川県中学校水泳競技大会
・男子200m背泳ぎ第2位(2分13秒04)
・男子100m背泳ぎ 優勝(58秒85)
<中学陸上部>
新井 晴元
第56回神奈川県中学校陸上競技選手権大会男子共通走高跳第2位(1m70)
<中学卓球部>
市川 天一朗
第34回神奈川県中学生学年別卓球大会 横須賀ブロック大会男子個人戦 優勝
市川天一朗,志田悠成,加茂叶大,三上陽一郎,小穴航勢,山口馨,近藤寛人,山﨑竣太
令和3年度横須賀卓球協会中学生選抜強化リーグ男子団体戦 優勝
<中学バドミントン部>
平井温裕,大石悠貴
・令和3年度逗葉地区総合体育大会 優勝
・令和3年度神奈川県中学校総合体育大会横須賀ブロック予選 男子ダブルスの部 優勝
<高校水泳部>
岡村 修朋
令和3年度神奈川県高等学校水泳競技大会 50m自由形第4位(24秒07)関東大会出場
星合 謙一郎
令和3年度神奈川県高等学校水泳競技大会
・100mバタフライ 第6位(56秒21)
・200mバタフライ 第8位(2分07秒12)2種目で関東大会出場
井上 嘉人
令和3年度神奈川県高等学校水泳競技大会 100m自由形第7位(52秒61)関東大会出場
井上嘉人,岡村修朋,星合謙一郎,石田優
令和3年度神奈川県高等学校水泳競技大会 4✕100mフリーリレー第8位(3分34秒49)
井上嘉人,岡村修朋,星合謙一郎,鷲津将太
令和3年度神奈川県高等学校水泳競技大会 4✕200mフリーリレー第8位(8分02秒46)
井上嘉人,岡村修朋,星合謙一郎,田中悠資
令和3年度神奈川県高等学校水泳競技大会 4✕100mメドレーリレー第8位(3分59秒89)
団体
令和3年度神奈川県高等学校水泳競技大会 男子総合第8位
<高校バレーボール部>
金澤正悟,大場匠人
神奈川県ビーチバレーボールジュニア選手権第3位
<高校ヨット部>
団体
令和3年度関東高等学校ヨット大会 男子コンバインド準優勝
黒田研一郎,大川悠人,松井勇人,渡邉駿一
令和3年度関東高等学校ヨット大会 男子420級第3位(全国大会出場)
河田大智,齋藤義仁,橋本晃太朗,中川天
令和3年度関東高等学校ヨット大会 男子420級第4位(全国大会出場)