2023年11月 - 逗子開成ニュース

2023年度第1回保護者セミナー活動報告

2023/11/29

 11月11日(土)、本校カウンセラーで関東学院大学教育学部教授の青戸泰子先生をお迎えして、『2023年度PTA第1回保護者セミナー』を徳間記念ホールにて開催いたしました。

 今年度第1回目の「基礎講座」は、『気になる子ども編6ー学習意欲の低い子どもー』をテーマにご講話していだたきました。

jpg.jpg

はじめに、後出しじゃんけんゲームをして、和やかな雰囲気の中、スタートしました。

 まず、子どもの不適応のサインには必ず理由があり、そのリスク要因はいろいろありますが、取り巻く環境と折り合わないとサインとなって出てくるのだそうです。環境と折り合えば、それは個性や才能、強みとなります。子どもの発達特性を知るためにも、良好な親子関係を築くのが大事であるとのことでした。

 今回のテーマである学習意欲の低い子どもとどう関わるかについては、C君の事例やゲームばかりしている子どもの中では何が起こっているのか、関わり方のポイントを交えながらお話されました。また、子どもに心の安全基地を作り、楽しい、嬉しい体験が、(究極的な)教育目標である命の大切さにつながるとのこと。良好な親子関係を築くためにも親自身も楽しいと思う時間を大切にしてくださいとのことでした。

 保護者からの質問では、サインを出さない子どもやうそをつく子ども、スマホばかりの子どもへの接し方などについて答えていただき、今回のセミナーも盛況のうちに終えることができました。ご参加いただきました保護者の皆さま、ありがとうございました。

 次回、第2回保護者セミナーは「応用講座」として、これまでの「基礎講座」にご参加経験のある方を対象に開催の予定です。こちらも是非ご参加ください。

文責PTA

カテゴリー :
PTA活動報告

中学3年生 国語授業

2023/11/22

11月15日、中学3年生の国語の授業を見学しました。


本時は芥川龍之介の『羅生門』について読み解いていきます。

と、その前に、5分間の漢字テスト。

テスト用紙が配られ、賑やかだった教室はしんと静まり返ります。

B84A1861-B2BF-48E6-B33D-07F5E30DA70A_1_105_c.jpeg

「始め!」

320EA93B-1F37-4A33-8872-5918DE09F7F6_1_105_c.jpeg3079BF81-9BE8-4B72-99EA-5F25D2AC2047_1_105_c.jpeg

1F799E19-A5E4-44E2-B394-143F6FE9A5C6_1_105_c.jpeg

見直しまでしっかりと。

85D6F53D-1124-4B4D-8AB2-3846AD3E112F_1_105_c.jpeg

「やめ!」の声で生徒がテスト用紙を回収します。

みんないい点数がとれたかな?

05175DBA-090A-455E-96F4-439FCF4A6F9B_1_105_c.jpeg

そして『羅生門』の授業へ移ります。

9436548D-77DE-45EE-9B32-792040233135_1_105_c.jpeg

前回の授業で宿題として出した、「下人の人物設定を読み取ることのできる箇所に線を引く」という課題の振り返りも含め、まずは5分間、各自教科書を読み、下人の人物設定について確認します。

その後、線を引いた部分を更に外面的なものなのか、内面的なものなのかに分けてマークしていきます。

ではまずは外面的なところから見ていきましょう。

下人の状況を表す文として、「行き所がなくて、途方にくれていた。」という部分があります。

では、行き所がないのはなぜ?

この文の少し前にある、「永年、使われていた主人から、暇を出された」というところから、読み取ることができますね。

すると、「暇ってなに?」「休み?」「休みではないと思う」「解雇ってこと?」と色々なところから声が聞こえてきました。

そしてどこかから「余波」という声も聞こえました。

「永年、使われていた主人から、暇を出されたのも、実はこの衰微の小さな余波にほかならない。」の中の「この衰微の小さな余波」という部分がなにか関係していそうですね。

「じゃあ『余波』とは、どういう意味?」

という先生の問いかけに、一人の生徒が「あまり歓迎できない影響」と答えてくれました。

そして、「この衰微の小さな余波」という部分の「この衰微」は何を表しているのだろう?

ここから「暇」が単なる休暇ではなく、職を失った状況であることが読み取れます。

...と、いったように、出てきた答えから更に疑問が生まれ、そこからまた答えが出ることで、『羅生門』という物語を深く読み進めることができました。

その後は、下人の内面的な部分についても生徒たちからたくさんの意見を聞くことができました。

F3FA32FE-1D6F-4ABF-A16F-374DD344E849_1_105_c.jpeg

私たちが生きている時代とは異なる時代の小説だからこそ、場面の状況や登場人物の心情など理解しづらいと感じる部分が少なからずあるとは思います。

しかし、一つ一つの言葉を大事にしながら読み、前後の文からつながりのある文を探し、そこから想像することで物語への理解が深まっていくということを感じることができました。

小説を読み解く面白さ、そして生徒たちがのびのびと学習に取り組む姿が印象的な授業でした。

まだまだ続く羅生門。この後の展開も楽しみです!

カテゴリー :
学習活動

PTAバス旅行「大人の社会科見学」

2023/11/20

11月16日木曜日、気持ち良い秋晴れの中、PTA成人部主催のバス旅行が開催されました。今回のテーマは「大人の社会科見学」です。


あ.jpg
朝、横浜駅に集合です。
校長先生と谷原先生、中1から高3までの保護者120名が参加しました。

ああ.jpg
貸切バス3台で出発です。

あああ.jpg
青い空に映える白い国会議事堂前に到着しました。

ああああ.jpg
ふかふかの赤じゅうたんを踏みしめて螺旋階段を上ります。

あああああ.jpg
大理石の柱には多くの化石が含まれているそうです。

ああああああ.jpg
17年かけて昭和11年に完成した貴重な建造物です。

あああああああ.jpg
エレベーターも歴史を感じさせます。

ああああああああ.jpg
天皇陛下の御休所です。

あああああああああ.jpg
衆議院議場、本会議が開かれるところです。

広い国会議事堂を歩き回ってすっかりお腹が空いたところで、東京ドームホテルへ移動してランチタイムです。

ああああああああああ.jpg
スーパーダイニング「リラッサ」のブッフェ会場です。学年が混ざったグループで楽しくお話ができました。

あああああああああああ.jpg
美しい盛り付けですね!北海道フェアが開催されていたので、蟹など北海道の食材を使ったお料理がたくさんありました。

美味しい食事の後は上野の東京国立博物館へ向かいます。

ああああああああああああ.jpg
日本で最も長い歴史をもつ博物館で、さまざまな文化財を思いおもいに鑑賞しました。

イチョウが色づく上野の並木道を後に、バスは一路羽田エアポートガーデンへ。

あああああああああああああ.jpg
エアポートガーデンは羽田空港第3ターミナルに直結する複合施設です。

ああああああああああああああ.jpg
エアポートガーデンから10分ほど歩くと展望デッキです。

あああああああああああああああ.jpg
先生方へのお土産を選ぶ校長先生を発見!

ああああああああああああああああ.jpg
成人部の方の誘導でバスに乗り込み、横浜駅で解散です。

あああああああああああああああああ.jpg
 東京の名所を1日巡るバス旅行「大人の社会科見学」は無事終わりました。参加者皆楽しみながら親睦を深めることができ、良い思い出となりました。
 企画そして下見をして、当日スムーズに運ぶようお世話してくださった成人部の皆様、ありがとうございました。

カテゴリー :
PTA活動報告

全日本高校模擬国連大会に参加

2023/11/20

image3.jpeg

" Cuba would like to submit our Draft Resolution officially to the floor"

この一言に、今年の全日本高校模擬国連の思い出が集約されたと言ってもいいでしょう。(決議案を正式に提出するという会議中の決まった文言です。)
その瞬間まで本当に多くの努力がありました。そして逗子開成の模擬国連の活動はまた一つステップアップできたと思っています。

 2日間に渡って行われるセッションは、根気強い対話の繰り返しです。50分の非公式討議の合間に3か国ずつスピーチをする公式討議を挟みながら、朝10時から夕方の5時まで、国連大学の会議場では本物さながらの議論が交わされます。時には緊張感を持ち、時には笑顔や充実感とともに、進んだり止まったり、後戻りをしながら、各国大使(に扮した学生たち)は決議案の作成を続けるのです。

 1日目の朝は、〇〇高校の代表としての顔をして集まった大使たちですが、議論が進むにつれてオランダ大使の顔、キューバ大使の顔へと変わり、2日目にはキューバ大使さん、オランダ大使さん、として互いに認識するようになります。そして会議終了の木槌が鳴ると、大きな拍手とともに17歳の高校生の顔に再び戻るのです。

image7.jpeg

 大会前から終了までの数日間は、眉間にしわを寄せ、ピリピリムードがピークに達している生徒たち。しかし、大会が終了し、駅へ向かう帰り道、高揚感と安堵感でくるくる変わる彼らの豊かな表情を見ていると、彼らの大きな成長を感じます。

image5.pngimage4.png

image6.pngimage9.jpeg

予選会議を勝ち抜いてきた大使たち。全日本と名がつくからには、頂点を目指したい。最初はそう思って会議場に乗り込む彼らも、会議の進行とともに、それぞれの国の大使としてのプライドが芽生え、自国の利益、ひいては世界の調和を実現したい。本気でそう思うようになるのです。その相反する気持ちの狭間で、彼らは一生懸命対話を続けます。あくまでも紳士的に誠実に。それこそが模擬国連の不思議な魅力でしょう。

受賞すればニューヨークへ、惜しくも逃せば次の会議へ!挑戦は、彼らがモギコッカー(模擬国連をする人の愛称)である限り続きます。

稲垣・奥ペア、宮山・田村ペア、お疲れさまでした。

"We would like to adjourn the session" (会議の終了を表す決まった文言です。)

image8.jpegimage1.jpeg

カテゴリー :
その他の活動

相手を尊重するために、まず自分を尊重する

2023/11/15

11月13日に中学全学年を対象に、弁護士の真下麻里子様から「いじめ予防」についてご講演をしていただきました。

IMG_9022.jpegIMG_9021.jpeg

「弁護士バッジは何の花を表しているでしょう?」という3択クイズから始まり、さっそく盛り上がる生徒たち。

IMG_9027.jpegIMG_9046.jpeg

①菊
②ひまわり
③コスモス

正解は②のひまわり。
太陽に向かってまっすぐ伸びていく性質があるので自由と正義の象徴であるというところから、ひまわりを表したバッジになったのですね。

IMG_9031.jpeg

他にも2つ、弁護士バッジに関する問題の出題があり、生徒は弁護士という職業に興味津々です。

真下様は企業法務、労働事件、教育関連、交通事故、倒産案件など多岐に渡る分野を取り扱っており、更に教育に関連した方面も高い専門性を持っている中で、現在「ストップいじめ!ナビ」というNPO法人の理事も務めています。

数々の著書を出版しており、その中でも『市民を育てる道徳教育』という本では本校学校長である小和田亜土先生とコラボしているというニュースに生徒もびっくりしていました。

そして自己紹介の後、今回のテーマである「いじめ防止」についてお話ししてくださいました。

---------------------------------------

教室がストレスの多い環境にあると、子どもたちが攻撃的になってしまって、いじめが増えていくというのが統計上明らかになっています。

ストレスを抱え込まない環境をつくるために大事なこと、それは「自分を尊重する」ことです。

IMG_9034.jpeg

「尊重」と「法」が結びつくイメージってできますか?
「法」というと、罰を受けるなど上から押さえつけられるイメージをもつ人が多いと思います。

日常 ーーー トラブル ーーー 訴訟
                ↑

とあると、多くの人は↑の位置に法律の登場シーンを思い浮かべます。
しかし、私たちの日常の中に法律というものは非常にたくさんあります。
私たちの安心安全な生活を守ってくれる存在が「法律」であり、その法律に気づかないうちに守られ尊重されながら私たちは生きているのですね。


いじめの話をすると「相手を尊重しましょう」という話が出てきますが、人は自分が尊重されていないと感じながら誰かを一方的に尊重し続けることはなかなかできません。

まずは自分を尊重する。
すると相手を尊重できる。

IMG_9050.jpegIMG_9054.jpeg

---------------------------------------

その後は、生徒に事前に配られたプリントに記載されている、とある合唱コンクールの練習中の生徒たちに起こった事例を元に、自分の考えをまとめ、グループで意見を交換し、ワークシートを進めていきます。

IMG_9071.jpeg

IMG_9023.jpegIMG_9069.jpeg

IMG_9067.jpegIMG_9038.jpeg

IMG_9042.jpegIMG_9039.jpeg

ここで10分間の休憩時間です。
休憩時間、真下様の近くに行ってみると、弁護士バッジに興味をもつ生徒や、弁護士に関する質問などをする生徒たちの姿がたくさんみられました。

IMG_9060.jpeg

こちらは弁護士バッジに直接触れて感動する生徒たち。

IMG_9063.jpeg

その後はまたワークシートを進め、学年ごとに発表し、最後に法的な観点から解説をしていただき、本日の講演が終了しました。生徒たちの表情から、たくさんのことを学べた時間になったことが伝わってきました。

IMG_9079.jpegIMG_9080.jpeg

IMG_9081.jpegIMG_9077.jpeg

IMG_9086.jpegIMG_9088.jpeg

IMG_9092.jpeg


最後に本校教頭の横山先生よりお話がありました。

「今日の講演で『自分を尊重する』ということが大事であることがわかりましたね。
自分を尊重するということは結局、自分を理解するということ。自分を理解するのって難しいと思います。自分自身のことを振り返ってみないと理解はできません。たまに振り返ってみてください。すると自分の考えていることが少しずつわかってくる。
他者を理解するということはコミュニケーションをとるということ。それから一緒に行動するということ。
自分を、そして他者を尊重して、良いクラス、良い学校、良い社会をつくっていってください。」

IMG_9100.jpeg

カテゴリー :
その他の活動

【シネマ倶楽部】『20歳のソウル』鑑賞文

2023/11/07

10月24日25日に、中学1~3年生が『20歳のソウル』を鑑賞しました。


(作品概要)

浅野大義は市立船橋高校吹奏楽部に所属する男の子。担当はトロンボーン。活発で優しく、真っ直ぐな大義は、いつも周囲を明るく照らし、そして大義自身も部員たちに支えられ、青春を謳歌していた。なにより特別な存在である顧問の高橋健一先生に大きな影響を受け、心身共に成長していった。大義は、市船・野球部のために、オリジナル応援曲の作曲に挑戦。作曲の難しさに葛藤しながらも、ついに「市船soul」が誕生する――

千葉県船橋市立船橋高校に代々受け継がれている応援曲「市船soul」。その楽曲は、市船を勝利へ導く神応援曲としてSNS上で話題となった。その名曲の裏側には、20歳という若さで、短い人生の幕を閉じた浅野大義という青年がいた。彼の告別式には164人の吹奏楽部員が集まり、これまで仲間の背中を押し続けてきた「市船soul」で彼を天国へと送り出したのだ。彼が残した音楽は今も彼の魂とともに生き続けている。

音楽を愛し、たくさんの人々から愛された浅野大義青年の感動の実話を映画化。部活や行事を通じて仲間と日々関わり合う青春ど真ん中の生徒達には、どストライクの作品!!

20歳のソウル②.jpg

※生徒の鑑賞文には映画の内容も含まれますのでご注意ください。

(中3A Tくん)

 私はこの映画を見て、大義君の生き様から沢山のことを学んだ。
 生きて共にあること、それは当たり前ではない。この映画の中でもそのシーンがあった。大義君の部屋の中でのシーンでの「明日だってあるかどうか分からない」という言葉はとても印象深かった。彼はもういつ死んでしまうか分からないという状況だからこそ、残りの時間を"今しか出来ないこと"という高橋先生の言葉を生かし、今を精いっぱい生きようとする姿勢にとても感動した。これは誰にでも出来ることではなく、自分のため、そして他人のためも思い生きようという強い意志があると私は思う。
 友達は自分にない所を補ってくれる存在と言うが、今作品での大義君と彼の友達との関係はまさにというよりもそれを超越していると思う。高校時代の彼らは誰一人として無視せず、仲間を思いやって助け合って過ごしていた。私は自分とは同じではない他人に情をかけることができるのが友情であり友達であると思う。またこのような素晴らしい関係があったからこそ大義君が病気になった時も本人がいないのにも関わらず演奏で励ましたのだと思う。そして大義君が亡くなり葬儀の時、友達の思いというものは、他でもない友情と、感謝、労りなどの様々な気持ちが混ざり合ってできたものであり、私はこれを見て深く考えさせられた。
 また彼には先生という目指すべき場所、目標、存在があってこそ、その友情は生まれたと私は思う。口では反対しつつも納得できる所があった話や先生自身も彼をリスペクトしていたからこそ彼はそのような生き方ができたと私は思う。
 この友情、先生という存在、そしてその他の多くによって彼の価値観、生き方が構築されたと思い、改めて素晴らしい作品だと思った。

カテゴリー :
シネマ情報

カテゴリ

最新の記事

アーカイブ

ページトップへ戻る