本時のヨット講義は、ヨットの各部名称を覚える前半と、後半はヨット艤装(組み立て)の説明という二本立てです。
まずは授業プリントが配られます。
皆さんは「ヨットの絵を描いてください。」と言われたら、どのような形のセール(帆)のヨットを描きますか?
おそらく多くの人が三角形のセールのヨットを描くと思いますが、実は三角形のセールは近代的なデザインであり、昔のセールの形は四角形でした。
ヨットはセールで受ける風がエンジンとなるのでセールが大きい方がスピードが出ます。
しかし、セールが三角形の場合、面積を大きくするにはマスト(セールが取り付けられた縦に長いパイプ)を長くしなければいけません。
今、マストの材料として使われている素材はアルミニウムからカーボンなどと進化していますが、昔はそこに木材が使われていたのでマストを長くするのは難しかったようです。
マストの長さを変えずに、セールの面積を大きくするにはどうしたらいいのでしょうか?
そこでスプリットポールというものが生まれ、四角形のセールを展開することができました。
授業プリントの左上の□に入る、マストから斜めに伸びているポールのことです。
スプリットポールとは、「短いマストでも大きなセールを展開できる工夫」なのですね。
次にメインセールについてです。
桜木町の日本丸にはたくさんのセールがついてますが、なんとその全てのセールに名前が付いているそうです。
全てのセールの中でも中心となって推進力を発揮するセールをメインセールといいます。
OPヨットは一つのセールしかないのでこれがメインセールです。
セールの下にあるセールを支えるための部品をブーム、船の後ろについている舵を取る板をラダーといいます。
センターボードはOPヨットの中央にある板のことです。
部品の名称について学んだ後は、ヨットを扱う際の注意点についてのお話です。
ヨットの組み立て作業時の注意として、長いパイプを持っている時は縦に持ちましょう。
担ぐように持つと、そのまま振り向いたりしてしまった時、人に怪我をさせる可能性があります。
ヨットが止まった時の対処法や乗り方の注意点などを自転車や車の運転に例えて説明するシーンで、多くの生徒がなるほどとうなづいていました。
水に浮いたヨットに人が乗った時にかかるのは面荷重、砂浜に置いたヨットに人が乗った時にかかるのは点荷重です。
ヨットは水に浮いた時に丁度良くなるような強度設計で作られている為、陸では乗らないようにしています。
今の中1が作ったヨットは、彼らが大学3年生になった時の中1まで使われます。
自分たちでつくったヨット、そしてそれが8年間乗り継がれると思うと、自然と丁寧に扱おうと思うことができますね。
最後にヨット艤装で使うロープワークのおさらいをして外に出ます。
外に準備していたOPヨットを運んでいます。
そしてヨット艤装の説明です。
メインセールを展開します。
センターボードはこのように組み立てますが、陸から海へ運ぶ時に地面に引っかかると折れてしまうので横に寝かせて置いておきます。
ラダーについての説明。
ロープを結んで完成です。
ヨットに乗った時の舵とロープの操作の仕方、風向きに対してのブームの角度を確認し、片付け方についてです。
片付けが終わり本時の授業は終了です。
前半でヨットの各部名称について学ぶことでその後の艤装の説明をスムーズに吸収できたようです。
次の授業でヨットに自分たちの名前を入れて完成です。
10月から進めてきたヨット製作もついに最終回です。楽しみですね。