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【シネマ倶楽部】『戦火のランナー』鑑賞文

2022/11/08

10月25日26日に中学1~3年生が『戦火のランナー』を鑑賞しました。


(作品概要)

戦争の続くスーダンはどこもが戦場で、子どもはさらわれ、家は燃やされていた。8歳のグオル・マリアルの命を守るために、両親は苦悩の末、彼を村からたった一人で逃すことにした。戦場をさまよい歩くグオルはやがて武装勢力に捕まってしまう。「逃げよう」。彼は夜明け前、走って逃げることに成功する。幸運にも難民キャンプで保護された彼は、アメリカへ移民するチケットを手にする。「もう逃げなくていい」。高校に入学した彼は、走ると他を圧倒。初めて走ったマラソンで2012年ロンドン五輪出場資格を得る。まるで走ることが彼の運命だったかのように――。

しかし、南スーダンが建国されたのはロンドン五輪開催の一年前。国内オリンピック委員会がなく、代表する国がなかった。出場が危ぶまれたが奇跡が起こる。国際オリンピック委員会(IOC)が「国のない男」といわれた彼の個人参加選手としての出場を認めたのだ。そして彼は、祖国南スーダンの人々の期待を背負い走り、完走する。

祖国のため、不屈の精神で走り続けるグオルの人生に感動せずにはいられない。難民からオリンピック選手になったグオルの感涙のドキュメンタリー!

戦火のランナー①.jpg

※生徒の鑑賞文には映画の内容も含まれますのでご注意ください。

(中1D Kくん)

彼は、とても強い人だと思った。私も約一年間ではあるが陸上部長距離ブロックに所属している身として、走るという行為の苦しさや楽しさをある程度理解しているつもりだった。しかし、この映画の主人公、グオル選手は、私が陸上競技に対して思っていることがそもそも無い。私たちにとって走ることは趣味であり、スポーツであるが、彼にとっては略奪や襲撃から逃げるための手段でしかなかった。この事実に、私は強く衝撃を受けた。紛争で何千、何万の人が犠牲になっていることは何となく知っていたが、ここまで人の生き方や考え方を変えてしまうものだとは思ってもいなかった。グオル選手は、「平和」の祭典オリンピックと未だ「紛争」が続いている祖国南スーダンとの間で、民族や考え方の違いに揉まれながら生きていく。どんな問題にぶつかっても、祖国の誇り、民族の誇りのために諦めない姿に、私は感動せずにはいられなかった。私は、この映画は、グオル選手個人のドキュメンタリーであると共に、人間の持つ「誇り」に関するドキュメンタリーでもあるのではないかと思った。誇りとは、時に人を輝かせ、強くする一方で、時に個人や民族間の対立を招くものだ。この映画でグオル選手が祖国や民族の誇りのために走っている陰で、その行きすぎた誇りが国や民族間の対立を招き、紛争にまで発展している様子を観てそう思った。しかし、祖国のために陸上競技を続けるグオル選手は本当にかっこよかった。私も、自分の国に誇りを持って生きていきたいと思った。

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