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【シネマ倶楽部】『イン・ザ・ハイツ』鑑賞文

2022/07/21

7月5日(火)に高校2・3年生が『イン・ザ・ハイツ』を鑑賞しました。


(作品概要)

ワシントン・ハイツ――祖国を遠く離れた人々の暮らすその街は、いつも歌とダンスであふれている。故郷に帰る夢と恋に悩むウスナビ、デザイナーを夢見るヴァネッサ、仕事と恋を追い続けるベニー、名門大学への進学に悩むニーナ――夏の夜に起こった大停電をきっかけに、仕事や進学、恋につまずきながら夢に踏み出そうとする4人の若者の運命が大きく動き出す。

トニー賞4冠、さらにグラミー賞を受賞した傑作ブロードウェイミュージカルを、『クレイジー・リッチ!』のジョン・M・チュウ監督が映画化! 全米の名だたるメディアがこぞって「今年最も見たい映画」に挙げる全世界注目の話題作がついに逗子開成に上陸! 胸をつくパワフルなナンバーと、1シーン540人のダンサーで贈る圧巻の群舞、ほとばしる熱狂と魂を揺さぶるメッセージに、君たちの心も大解放すること間違いなし! 音楽の感動と熱い夢に今こそ酔いしれよう!!

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※生徒の鑑賞文には映画の内容も含まれますのでご注意ください。

(高2B Hくん)

 ミュージカルを映画化しただけあって、作中で何度も歌とダンスのシーンがありましたが、ほぼ全ての歌が明るく、陽気で楽しい雰囲気があるものでした。しかし、よく注意して歌詞を聞いたり、スクリーンを見たりすると、所々にどこか暗いような、特に前半の部分で歌われていたものは、なにかしらの暗い気持ちを前述したような明るい陽気な歌でごまかしているような、抑えこんでいるような印象を受けました。どうしてこのような、まるで闇を抱えているような印象を受けたのか、それを解き明かすためのヒントは実はこの映画の様々な場面にありました。それは彼らが「移民」であるということです。この映画の主人公であるウスナビは故郷であるドミニカ共和国に戻り、両親のバーを継ぐことを夢にしていたことから分かるように、この映画で登場した大体の人達は故郷からアメリカに移住したその人またはそれの子孫です。過去のアメリカで起きた移民差別、例えば中華系移民や日系人への差別などから分かる通り、移民というものは得てして差別されがちな事柄の1つであり、彼らも同じように差別を受けていたと考えられます。事実、作中でニーナが父親に「大学で差別を受けている」といったことを話している場面があります。これが歌の場面でどこか暗い印象を受けた理由だと思われます。この映画は若者が自らの夢、または未来に向けて今を必死に生きている、というのがテーマであり、そこに明るいミュージカルを入れることで希望あふれる楽しい雰囲気を出していますが、その裏には移民差別といった暗いテーマもあるというのがこの映画の良い所ではないのだろうか、と私は思いました。

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