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【シネマ倶楽部】『行き止まりの世界に生まれて』鑑賞文

2021/10/25

9月28日(火)に中学3年生、29日(水)に高校1年生が『行き止まりの世界に生まれて』を鑑賞しました。


(作品概要)

ラストベルト――鉄鋼や石炭、自動車などの産業が衰退し、アメリカの繁栄から見放された「錆びついた工業地帯」。トランプ大統領誕生に大きな影響を与えたエリア――。そのエリアでも「アメリカで最も惨めな町」といわれるイリノイ州ロックフォードに暮らすキアー、ザック、ビンの3人は、幼い頃から、貧しく暴力的な家庭から逃れるようにスケートボードにのめり込んでいた。スケート仲間は彼らにとって唯一の居場所、もう一つの家族だった。いつも一緒だった彼らも、大人になるにつれ、少しずつ道を違えていく。ようやく見つけた低賃金の仕事を始めたキアー、父親になったザック、そして映画監督になったビン。ビンのカメラは、明るく見える3人の悲惨な過去や葛藤、思わぬ一面を露わにしていく――。ビンが撮りためたスケートビデオと共に描かれる12年間の軌跡に、誰もが胸を打たれ、3人を応援せずにはいられないだろう。

 アカデミー賞、エミー賞Wノミネート、サンダンス映画祭をはじめ59の賞を総なめにした傑作ドキュメンタリー。主人公たちの等身大の物語を通して、未来のアメリカが見えてくる。

行き止まりの世界01.jpg

※生徒の鑑賞文には映画の内容も含まれますのでご注意下さい。

(高1B Sくん)

私は「行き止まりの世界に生まれて」を鑑賞して大人になるとは何かということを考えさせられた。キアー、ビン、ザックの三人が、少年時代から年を重ねるにつれて、それぞれの問題に悩む姿を見たからだ。ザックの「大人になるには何かが欠けている。」という言葉には、自分と境遇は違えど、共感できるところがあると思った。また、似たような境遇にあった三人がそれぞれの道に歩んでいくのを見て、それぞれの問題に対して見方を変えてみるのも、問題の解決に近づけるものだなと感じた。映画の表現技法に関しても興味深い部分が多くあった。ビンがキアーやザック、二ナにインタビューをして、また、自らの問題に向き合っていくという構図がおもしろかった。ドキュメンタリーの映画だったが、まるで台本があるかのように感じ、アメリカは自由の国でもあるが、こういった厳しい現実も実際にはあるのだと実感させられた。三人とも親からの愛情に飢えていて、同情してしまう部分もあったが、ザックは自分を変えようとしているが暴力的になってしまうのを見て何とも言えない残念な気持ちになった。今回、この映画を鑑賞して、私が大人になったらもう一度見てみたい作品だなと感じた。それは、この作品が、「子供から大人になるときの自分のあり方の変容」と「親からの愛情の影響」の二つのテーマがあるように感じた映画であるからだ。その他にもアメリカの経済格差の問題も密接に関係していると感じたのでまた見たいと思った。

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