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【シネマ倶楽部】 ハリエット鑑賞文

2020/11/20

2020年11月6日(金)に中学3年生が映画『ハリエット』の鑑賞を行いました。

(作品概要)

アフリカ系アメリカ人として、史上初めて新しい米ドル紙幣に肖像が採用され、アメリカでは誰もが知る実在の奴隷解放運動家、ハリエット・タブマンの激動の人生を描いた話題作。奴隷として生まれた女性が、たった一人で自由を目指して逃亡し、家族や仲間を助けたい一心から組織の一員として活躍するようになる。そして、いつしか彼女は、奴隷制度そのものを撤廃するために命をかけ、南北戦争では黒人兵士を率いて戦う「英雄」になっていた。

崇高な使命のために命をかけて戦うハリエットを演じるのは、ミュージカル『カラー・パープル』の主人公セリー役でブロードウェイ・デビューを果たしてトニー賞主演女優賞、グラミー賞、エミー賞ほか、数々の賞を総なめにした実力派スター、シンシア・エリヴォ。映画出演たった3作目の『ハリエット』で初主演を務め、第92回アカデミー賞において主演女優賞と、自ら歌うテーマ曲『スタンド・アップ』が歌曲賞に、ダブルノミネートされるという快挙を遂げた。世界有数の映画賞で絶賛されたシンシア・エリヴォが紡ぐ魂の演技と歌に注目しよう!!

ハリエット01.jpg


※生徒の鑑賞文には映画の内容も含まれますのでご注意下さい。

(中3A Fくん)

「ハリエット」は、黒人奴隷であったハリエット(ミンティー)が自由を求めて厳しい生活から抜け出し、アメリカ北部へ逃亡した後、家族や友達、他の黒人奴隷にも自由な暮らしを与えるために助け出そうと奮闘する映画だった。今年の社会の授業でアメリカの奴隷制について学んだが、黒人奴隷の生活がどのようなものなのかは知らなかったので、今回映画を見て、家族と離ればなれにされたり暴行を加えられたりと黒人奴隷の辛過ぎる生活を知り、衝撃を受けた。辛い生活から逃れるためには自由か死しかないということを残酷に感じた。自由を求めてアメリカ北部へ逃げるのも命がけなのだ。

ハリエットは初め、たった一人で160キロ走り北部へ逃亡した。距離は長く、奴隷主の追跡もあるので逃亡することは困難で勇気がいると思う。しかし、ハリエットは自身の逃亡時に危険な思いをしたにも関わらず、一年後、家族や友達にも自由を与えるために南部へ戻ったのだ。自分も含めて多くの人は、家族や友達に自由を与えてあげたいと思いながらも、命を危険にさらすことを恐れて行動に移すことが出来ないだろう。誰も家族や友達を助けてくれる人がいないなら自分の力でどうにかする、というハリエットはとても強い人だと思った。「地下鉄道」の一員として何人もの黒人奴隷を助けていくハリエットはだんだん自信がついているように感じられた。

自分もハリエットを見習おうと思った。自分で行動を起こすことが大切だと思う。その中で自分に自信をつけ、生きる道を見つけていければ良いと思った。


(中3G Mくん)

僕はこの映画を見て人間の存在意義について考えさせられました。初めの場面で、どれだけ自分が本気でお願いしても、悩まれもせずあっけなく申し出を拒否され親子と何百キロも離れた地に売り飛ばされてしまうという奴隷の虚しさを知りました。少し誇張している部分もあると思いますが、それでもひどい仕打ちだなと思いました。また、途中主人公が追い詰められた時に「生きるか死ぬか」で毎回冗談抜きで死ぬ覚悟をしていて本当に生き延びるのに必死なことが伝わってきました。主人公は読み書きができませんでした。それでも神に頼りながら勇敢にも一人で仲間の奴隷解放に力を注いでいたのはものすごい強い意志を持った英雄だなと思いました。どれだけ賢くてもどれだけ運動ができてもこの主人公のようなことはできないと思います。この映画の積極性は生死に関わるようなスケールの大きいことです。しかしスケールを小さくすれば今の社会にあてはまる気がします。最近の人達は問題を発見したり、困っている人がいたり、助けを必要としている人がいたりしますが、それを発見しても自分から助けに行かず、他の誰かに任せている人がほとんどだと思います。国民のほとんど全員が自分から積極的に困っている人を助けない限り、平和で居心地の良い国は永遠に作られないと思います。この映画の終盤で、協力者が少しでも自分の意にそぐわない行動をすると当たり前のようにその人物を射殺するというシーンがみられました。その行動とは、自分の私利私欲のためなら他人などどうでも良いという考えの象徴だと思います。その正反対の行動をしているのが主人公だと思います。僕も主人公までとは言いませんが、誰かのために積極的に行動を起こせる人になりたいなと思いました。

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