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2020年度 逗子開成中学高校入学式 学校長式辞  2020.4.7

2020/04/07

 満開だった桜も散り始め、新学期を迎えるにふさわしい気候になってきました。しかし、残念ながら新型コロナウィルスの影響で、なかなか授業開始のめどがつかず入学式も通常のような形で実施することができませんでした。そのような中、保護者の皆様には入学式にご出席をいただき、こころからお礼申し上げます。

中学1年282名、そしてこの場には出席していませんが高校1年275名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんが逗子開成中学高校での輝かしい第一歩を踏み出すにあたり、私から一言お話をしたいと思います。

中学高校6年間の学校生活のなかで皆さんに期待することが2つあります。

それは、"自ら学ぶ姿勢を身に着け自立した人間になれるようにする"ということと"この6年間で自分がどのような存在かを知り、どこに向かっていくのか目標を定める"ということです。

逗子開成での日々の授業や行事、クラブ活動などの教育活動が、いま述べたことにつながっていきます。しかし、自分自身がそのような気持ちをもっていないと実現しないでしょう。皆さんは、自分の良い点や可能性について考えたことがあるでしょうか?

今現在の自分が、自分のすべてでしょうか。小さい頃から比べたら色々なことができるようになっています。自転車に乗れるようになった、逆上がりができるようになった、楽器が演奏できるようになったなど数え上げたらきりがありません。いままでできなかったことができるようになっているのです。これからの学校生活の中でも、できることが増えるでしょう。そして、できないと思っていることができるようになるかもしれません。今の自分とは変わっていくのです。ただし自分自身が何とかしようと思わなければできるようにはなりません。中学3年の遠泳で逗子湾を泳げるようになるというのもその一つの例と言えるでしょう。皆さんは、自分自身の能力や適性、好き嫌いなどについて自分で決めつけていませんか。ちょっとした経験やきっかけで、物事が好きになったり嫌いになったりするものです。今までの僅かな経験だけで、自分の適性などを判断するのはもったいないことです。自分が本来持っている可能性を閉ざしてしまうことになりかねません。まずは選り好みせず失敗してもいいからチャレンジしましょう。大人になり社会に出たとき、中高生時代にしたことではなく、やらなかった事を後悔するものです。様々な経験をし、自分の成長に資する蓄えを沢山つくることです。

次に、いま自分のいる場所が世界のすべてでしょうか。もちろん知識としては自分のまわりには広い世界が存在しているのは知っているでしょう。しかし、普通に暮らしていると、自分が通っている学校と家庭が自分のいる場所のほとんどだと感じ、あまり外の世界について意識することは少ないはずです。自分が今関わっている場所以外に別の場所があること、ものの見方や考え方、価値観など違う世界があることに気づいていないかも知れません。居心地の良い場所から一歩外に出ることには勇気が必要です。自分の慣れ親しんだ世界に閉じこもっているのは楽ですが、それでは一面的なものの見方や考え方しかできず成長は望めません。

みなさんは今回の新型コロナウィルスの影響で、家で過ごす時間が長く、もっと外に出て何かをしたいとうずうずしているのではないでしょうか。ある意味居心地の良い家から外にでたいと思うのは、家の外にはおもしろいことがたくさんあると知っているからです。しかし、もし家の中の世界がすべてで外の世界を知らなかったとしたらそうは感じないはずです。

皆さんの周りには未知の世界、大きな世界が広がっています。日々の学習を通してその世界について学ぶことができます。また、逗子開成では、通常の学校生活だけでは経験することができない、外の世界を知るチャンスがたくさんあります。海洋教育や海外研修など様々な行事が皆さんの世界を広げるチャンスとなるでしょう。

さて、逗子開成の校名にある「開成」は、中国の古典「易経」の「開物成務」

という言葉に由来があります。また、校章の「ペンと剣」はイギリスの作家ブルワー・リットンの「ペンは剣よりも強し」を図案化したものです。

 この校名と校章の意味について自分で調べ考えてみてください。これは今日皆さんに与える私からの課題です。これから学校生活を送る上でのヒントになるはずです。

繰り返しになりますが、この中高6年間でしっかり学び、体を鍛え色々な経験をし自立した人間になってください。また、この中高6年間のなかで自分がどのような存在なのか考え、そして何を目標として進んでいくのか模索してほしいと思います。

そして、皆さん一人ひとりが逗子開成の歴史を作っていくんだという意気込みで学校生活を送ってください。

遅くなりましたが保護者の皆様、ご子息のご入学誠におめでとうございます。現在は新型コロナウィルスの影響で通常の教育活動ができていませんが、臨機応変に対応しながら教職員一同、ご子息が充実した学校生活を過ごし、大きな成長を遂げられるように全力を尽くします。ご子息の教育には学校とご家庭の協力が不可欠です。保護者の皆様には、本校の教育活動にご理解をいただき、ご支援とご協力をお願いいたします。

それでは、新入生の皆さんが、今日の喜びと感激を忘れずに、健康で楽しく、自分の成長が実感できる学校生活を送るよう期待しています。

以上をもちまして入学式の式辞といたします。 学校長  高橋 純

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学校学年行事

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