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松坡文庫研究会の活動  資料収集、松坡文庫の整理も進む

2019/03/14

松坡文庫研究会の活動報告を、代表の袴田潤一元校長よりいただいたので紹介いたします。


昨年夏に発足した松坡文庫研究会ですが、その活動は順調に進んでいます。基本的には月一回の会合を持ち、資料収集の報告・活動内容の確認・松坡文庫の整理を行っています。

昨年秋には、開成祭で田辺松坡(田辺新之助先生)に関するミニ展示を行い、鎌倉市中央図書館を中心としたファンタスティック☆ライブラリー107の催しの一つとして、鎌倉市内の松坡にゆかりの史跡をめぐるフィールドワークも実施しました。

 タウンニュースにも取り上げられ、ケーブルテレビでフィールドワークの模様が放映されるなど、少しずつその活動が知られるようになり、問い合わせも増えてきました。

それとともに、田辺先生の業績が広く知られるようになることを願っています。

 田辺先生について調べを進めていくにつれ、漢詩人としての田辺先生の業績の大きさに驚かずにはいられません。今日では「漢詩」が私たちの生活から全くと言っていいほど失われてしまったので、田辺先生に対する認識もなくなっているのでしょうが、著書・編著書を読むと、明治・大正・昭和にかけて、日本漢詩界で重要や位置にあったことがわかります。明治34(1901)年に刊行された『明十家詩選』(5冊)では、序を寄せている依田学海(少年時代の森鷗外の漢文の師)がその仕事を高く評価しており、その翌年刊行された『明治二百五十家絶句』に松坡の詩十首が収録されています。大正に入ると新聞の詩壇の撰者も務めました。

 研究会としては田辺先生の漢詩を読むことを始めました。会員に漢文の専門家はおりませんが、素人なりに漢和辞典等と首っ引きで、会合ごとに一首を講読しています。

 今後の活動としては、現在の活動を継続しつつ、秋のファンタスティック☆ライブラリーへの参加を考えています。

田辺松坡関連資料.JPG

新たに収集された田辺新之助関連資料
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松坡文庫研究会

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