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2017年度海洋人間学講座②「東京湾の環境変遷から学ぶ人と海のかかわり」

2018/01/30

2017年度 海洋人間学講座②「東京湾の環境変遷から学ぶ人と海のかかわり」

 1月27日(土)に海洋人間学講座②を実施しました。講師は東京大学海洋アライアンス・東京大学大気海洋研究所の野村英明先生です。

今回は、前回も参加して頂いた鎌倉女学院の高校生と、本校からは海や海洋教育などに興味関心がある中学3年生が参加しました。

 授業の冒頭で野村先生から次の課題を頭に入れて講義を聞くように指示がありました。
・自分はどんな海が望ましい海だと思うのか?
・東京湾を「豊かな海」にもどそう!
・「豊かさ」「もどす」の基準は?

 前半は、地球全体の海のことについての講義がありました。ここでは、生物が光合成を行えるのが浅い海、すなわち沿岸であることを学びました。沿岸の生態系はエネルギー効率が高く、その理由は様々な生物がいるためであることを学びました。
また、流域の環境が海に及ぼす影響、特に窒素やリンがどのように海にたどり着くのか、循環しているのかを学びました。さらに、人間活動が及ぼす影響は、その開発の歴史まで考える必要性もありました。
東京湾の話題では、かつての東京湾は浅場や干潟や湿地などが広がっていたということに、受講生はおどろいていたようです。特に、諸説はあるものの「江戸前」=「うなぎ」であったというお話は非常に印象的でした。

 後半は、グループに分かれて前半の講義を参考にしながら、最初に示された課題について各自の考えをまとめました。さらに、グループ内で考えをまとめ、グループ発表を行いました。意見や感想は次のようなものがありました。
 ・東京湾にもっと関心をもってもらう。それと同時に、数が少なくなった生物を復活させる。江戸前ブランドを食文化として定着させる。
 ・東京湾は埋め立てを繰り返してきたが、経済的には私たちの生活は豊かになった。
 ・生態系の豊かさをもっと求めるべき。浅場を増やす努力をする。
 ・工場ではなく、自分たちの生活が東京湾を汚染していることを知った。
 ・現代の豊かさとは、生物と人間がよいバランスで共存する豊かさだ。
 ・東京湾(首都圏)に頼りすぎの状況を改善すべき。
 ・ヘドロなどを利用する技術や、ヘドロの中に含まれている成分を取り出す技術の開発
が必要。
などなど、たくさんの意見や感想がありました。
海、東京湾という題材で、海そのもののことだけでなく、われわれの生活も考えさせられる授業でした。

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海洋人間学

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