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映画「ブリッジ・オブ・スパイ」鑑賞文

2016/11/21

9月26日に中3・高1の生徒が鑑賞しました。米ソ冷戦時代に実際に行われた、スパイ交換をめぐる驚愕の実話です。監督はS.スピルバーグ。主演はトム・ハンクスです。


【注意】鑑賞文は時に映画の重要な内容や結末に触れる場合がありますので、お気を付け下さい。
 

高1 O君

 僕はこの映画を見て、とても興味深く感じた。なぜなら、鑑賞している人を引き込ませ、考えさせる為の工夫がたくさん仕掛けられていたからだ。

 まず、この映画の展開の速さには驚きである。最初は主人公であるジム・ドノヴァンが弁護士として、ソ連スパイを死刑から減刑、そして無罪にまでさせる為に戦うはずが、裁判は早々に終わり、米ソ間での捕虜スパイの交換を交渉するという壮大なストーリーに発展して、鑑賞者は気を抜いていると置いていかれそうな勢いである。そして早いだけでなく、スパイ交換のシーンなどの緊張する場面では逆にゆっくりと進み、見ている側をドキドキさせるのである。

 次に我々が引き込まれる要素は、所々に出てくる、ある2者間での対比だ。1つ目として上げられるのは、アメリカの中での平和と当時ソ連側にあった国々の荒廃した姿の対比である。数あるそのような対比の中で一番印象に残ったのは、"壁"のシーンである。ドノヴァンは、東独と米にて列車に乗り、その中から壁を乗り越えようとする人々の姿を見る。一方は、必死になって越えようとして軍隊によって射殺され、もう一方は無邪気に遊びながら壁を越える子供の姿であった。この描写はとても平和の大切さを訴えかけてくる。もう一つの対比として忘れてはいけないのが、アメリカとソビエトの対比である。両国は経済主義のみで比較されるのではなく、国内情勢や治安などのあらゆる面で対照的であった。基本的には、アメリカが良く見えて、ソビエト連邦が悪く見えてしまう。ただここで忘れてはならないのが、この映画がアメリカの映画ということである。つまり、少なからずとも誇張等が存在するのである。僕はこの映画だけで、冷戦を判断せず、ソ連側の目線からも見たいと思う。

ブリッジ・オブ・スパイ1掲載用.jpg

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