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映画『あん』鑑賞文紹介

2016/07/01

映画「あん」鑑賞文

6月8日に中1・中2の生徒が鑑賞しました。どら焼き屋を営む男性と、粒あん作りの腕を買われて働くことになった老女との、心の交流を描いた作品です。

【注意】鑑賞文は時に映画の重要な内容や結末に触れる場合がありますので、お気を付け下さい。
 

中1 S君

 逗子開成中学に入って初めての映画鑑賞。作品名は「あん」だった。
 この作品は、あるどら焼き屋に、一人の老女がやってくるところから始まる。そのどら焼き屋の店長、千太郎や、店の常連の中学生、ワカナの人生はその老女、徳江と出会って大きく変わっていく。そんなストーリーだ。
 最初、この映画を見る前、僕はつまらないだろう、途中で寝ようなどと考えていた。しかし、いざ蓋を開けてみると、作品で映し出されていた情景に、現実で起こっている社会問題の深刻さを教えられたような気がした。それは、世間において忌み嫌われた病の患者であり、前科を持つ者であり、大人に権利を奪われた者であった。その姿に、僕は心を打たれた。
 僕は、この作品から、「生命は尊い」というメッセージを伝えられたような気がした。作品中にこんな台詞があった。
「人は世界を見るため、聞くために生まれてきた。だから、何もしなくても、私たちには生きる意味があるのよ。」
この台詞に、あのメッセージが込められていると僕は思う。「だから、生命を大事にしないといけない」と、伝えたいのだと思った。
 実際に、徳江や千太郎、ワカナが何を考えているかなど分からない。分かるはずがない。だが、推測することならできる。例えその予想が間違っていたとしても、それは人の心に蓄積され、やがて血となり肉となる。その経験を積み重ね、人は成長していく。その過程で、智恵を身に付けることで、世間から弾かれた人々を救うことができる慈悲深い人間になれるのだと思う。僕は、そんな慈悲深い、優しい人間になりたい。

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