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校史余滴 第三回 実況! 創立三十年紀年大運動會

2016/05/21

今年も大変盛り上がった体育祭。逗子開成の昔の体育祭はどのように実施されていたのでしょうか?校史余滴 第三回 では「実況! 創立三十年紀年大運動會」というタイトルで、今から84年前の運動会の様子をご紹介します。

校史余滴
 第3回 実況! 創立三十年紀念大運動會

84年前の昭和7(1932)年5月21日(土曜日)、長柄運動場(1931年造成)で創立30年を記念して大運動会が開かれました。この年、1903年の創立から30年目を迎え、5月18日に記念式並に祝賀会、19日に物故職員校友慰霊祭が行われ、20日「母校発祥地池子東昌寺行軍参拝」と記念行事が続いていました。


紀念大運動会の実況中継です。

朝より雲天を覆ひて雨まさに来たらんとするの気を示す。それに増して風とみに加はり、天我に幸せざるがごとく見ゆ。開成健児850ものともせす予定のごとく午前7時半学校を出発、午前8時長柄運動場に到着。朝礼、君が代ラッパ、合唱、終わって開会の辞、直ちに合同体操。
 猛風は長柄運動場をかけめぐり、砂塵は荒狂う。猛塵と闘いつつ規則正しく運動は行われき。時折ひびく花火の音、振武隊の楽音、砂塵と共に場内に響く。

時代を反映してか(前年、柳条湖事件に端を発した満州事変が起こり、満州国建国宣言はこの年3月1日。五・一五事件は運動会の直前でした)、最上級生第5中隊(5年生による「模擬戦」なる競技(?)もありました。

 耳をつんざく小銃の音、むくむくと現はれたる爆弾勇士、肉弾勇士、鉄カブトにカーキ色の外衣、爆弾をかがえて敵陣を猛襲せんとするの景、まさに実戦をしのばしむるものあり、死者あり負傷者あり、小銃の音と共に場内は煙幕にとざされ、その中を勇士は突撃又、突撃、兵士の奮闘まさに涙あり、場内に尚猛塵は荒れ狂う、敵陣に爆弾を抱えて突進せる勇士等、鉄條網を爆撃す。その爆破の景、火光一線、土は二三丈高く飛びて観衆は「アッ」とおどろく。かくして休戦ラッパ場内に響けば兵士等は死者も負傷者も一時に立ち上がり、歓呼の声をあげて一場に集まる。

その後、横須賀の小学校(大津、長浦、葉山、豊島、浦郷、田浦、田戸、諏訪)対抗のリレーを最後に競技は終了しました。

 3時55分優勝旗授与式あり。全校生徒一同集合、校歌合唱あり、閉会の辞終って万歳三唱、幸なるかな、雨ついに至らず、されど猛風は長柄運動場を吹きまくつて終におさまらず、生徒よくこの猛塵と逃いつつ規則正しく運動を挙行せるは称賛に値すべし。かくて記念すべき創立30年紀念大運動会はめでたく終を告げぬ。時に午後4時半、天暗く場内風塵逆巻く。

 今年も体育祭が行われました。
 生徒たちの奮闘ぶりは如何だったでしょうか。

20160517 運動会.jpg

「紀念大運動会 開会式」

20160517 模擬戦.jpg

「模擬戦のようす」

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