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「パンダを食べますか?」

2016/03/22

『パンダなんか食べるはずない』。3月15日、中学1年生の朝のホームルームでは、そんな会話が生徒の中で交わされていました。どんな会話をしているのかと、ビックリされそうな内容ですが、この会話は総合学習の時間に行った海洋学特別講義のタイトルと関係しているのでした。

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講師を務めていただいたのは、昨年度も中学3年生(現高校1年)に講演を行っていただいた、東京大学大気海洋研究所の青山潤先生です。青山先生の著作、『アフリカにょろり旅』などはご存知の方も多いことでしょう。今回も「ウナギの生態」について話をしていただきました。ウナギはどこで産まれるのか?古代ギリシャのアリストテレスは著書「動物誌」の中で「ウナギは泥の中から自然発生する」と書いていたそうです。また、明治時代に発刊された新聞には、「ウナギは山芋が進化したもの」と報じられています。そんな謎めいたウナギの生態を解明したのが、青山先生も参加されていた研究グループです。2009年、西マリアナ海嶺(かいれい)南端部の海山域で、ウナギ卵 31粒を採集。遺伝子解析によりニホンウナギと確認されました。天然ウナギの卵が採取されたのは世界初。青山先生の熱弁に生徒も興味津々です。

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また、研究の結果だけでなく経過も実際の体験談をもとに写真を使って紹介していただきました。象に追いかけられた話や、6mを超えるワニのいる川でのウナギ採取など、生徒の心を惹きつけてくれていました。講義を終え、最後の質問コーナーでは、『ウナギが絶滅したらどうするのか?』『ウナギを食べるときの気持ちは?』などたくさんの質問が出ました。時間内に質問ができず、講演終了後に残って直接質問に行く生徒も。

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ニホンウナギとパンダは、絶滅危惧種に指定されています。タイトルの「パンダを食べますか?」の意味を考えてみましょう。

講演中に生徒が書いたメモの内容を一部抜粋させていただきます。彼が何を学び何を得ることができたのか?今後の活躍が楽しみです。

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探究することの楽しさ、興味を持つことの大切さ、たくさんの事を学ばせていただいた一日でした。青山先生、本当にありがとうございました。

カテゴリー :
海洋人間学

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