ニュース

津波シミュレーションで学ぶ津波の物理の基礎

2016/01/25

高校1年生、2年生生対象の海洋人間学講座の第2弾として、海洋物理学がご専門の東京大学海洋アライアンスの丹羽先生の「津波シミュレーションで学ぶ津波の物理の基礎」が、本校のコンピュータ棟で行われました。

「講義」と「パソコン実習」の2時間の授業です。その内容は、津波の物理的な特徴、②津波を支配する物理法則、③津波の数値シミュレーションの基礎、④Excel VBAプログラム、⑤津波の数値シミュレーションの実行です。津波と普通の波の違いから始まり、津波の伝わり方や速度などを学習しました。偏微分や流体など高校では扱わない高度な内容も、高校の数学や物理の内容と結びつけて考え、受講した生徒はイメージしやすかった様です。

20160125①.jpg 20160125②.jpg

また、家のパソコンにも入っていることが多い、マイクロソフト社のExcelを用いてのパソコン実習でしたので、さらに自分でもやってみたいと言っていた生徒が多かったです。

以下、受講生の感想の一部を紹介します。

・「エクセルのグラフで津波が再現できるとは思わなかった。」(高1)
・「配布されたプリントをめくったとき、見たこともない記号や数式がたくさん出ていて不安だった。津波のメカニズムを学習し、津波のデータをプログラムに入力すると、簡単に目で見て分かるようになった。」(高1)
・「津波のシミュレーションから、津波が沖から岸に到達するまでに、思っていたよりも時間がかかることを知った。このことを知っていれば、パニックにならずに済むのではないかと思った。」(高1)
・「津波以外のシミュレーションもやってみたいと思った。」(高1)
・「大学でも、シミュレーションのことを学びたいと思った。」(高1)
・「最近、数学の授業で習った微分積分が、物理の数式に使われていて、授業の物理とは違う感覚で味わえた。」(高2)
・「津波のデータをもとに、物理法則に従って次々と計算し、現象を視覚化するという方法を知ることができた。数学が他の分野にどのように役立つのかを知ることができた。」(高2)
・「"陸に近づくと、波は高くなり、速さが小さくなる。"ということが、今までピンとこなかったが、時間の経過とともに動く様子を見て納得した。」(高2)
・「微分の応用例を知ることができた。近似による数値シミュレーションによって、解けない方程式ですら、解析できてしまうことに驚いた。」(高2)
・「津波を理解するには、たくさんの要素があり、予想するのは大変だと思っていた。ところが、現象自体のメカニズムは単純で、多くの計算をしなくても、かなりの正確さをもって
津波の予測ができてしまうことに驚いた。」(高2)

今回の授業で、「観察(観測)」→「理論」→「現象の視覚化」という研究の流れを学ぶことができました。授業の最後に、東日本大震災の津波の数値シミュレーションを紹介して頂きました。シミュレーションでは仙台空港に午後3時58分に到達しますが、実際の津波の到達時刻でも午後4時で、シミュレーションの正確さに驚かされました。

20160125③.jpg

カテゴリー :
海洋人間学

カテゴリ

最新の記事

アーカイブ

ページトップへ戻る