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一休さんに会いに行きました!

2015/12/15

土曜講座で五島美術館に行きました。

参加者は、中1~高1まで。当日は、五島美術館入り口に、開館前に集合しました。

今回の目的は、「開館55周年記念特別展 一休 とんち小僧の正体」展の鑑賞でした。

集合後すぐに、事前課題を確認します。

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事前課題は、「君が知っている一休さんのイメージを書こう」というもの。

この課題の参加者のコメントを少し紹介すると、


・数々のとんち話をもっている。仏像に息をかけないように後ろ向きで念仏をとなえた。
「このはしわたるべからず」と書かれているはしを「この端わたるべからず」ととらえ、真ん中をわたった。
・とんちがきいている。頭がいい。
・室町時代の人。とんちの話の中に足利義満がいた。とんちの話が有名。


などなど。絵本やアニメのなかの「とんちの一休さん」像が定着していることがよく分かります。
参加者のコメントをすべて紹介・確認した後に、今回の特別展の見どころを図録をもとに
簡単に紹介しました。そして、すぐに自由鑑賞時間です。

今回の特別展では、「とんちの一休さん」イメージを一歩深めること、
作品の細部を見ることのおもしろさを体験することの二点に主眼をおきました。
その二点をふまえ、当日課題では、「一休さん」のさまざまなイメージを読み取り、
まとめてもらうことにしました。そして、その締め括りとして、最後の仕上げに、ゲーム感覚の課題をだしました。
その課題とは、事前に印刷をしておいた一休さんの肖像画類(室町時代~昭和時代まで)を
3人前後のペアで、時代順に並べてもらうというものです。

館内では、それぞれの関心にしたがって鑑賞しているようでした。
そして最後の課題のために、熱心にメモをとっていました。

五島美術館の見どころの一つでもある庭園に再集合し、その場で、班ごとに
一休さん並べ開始です。今回は特別ルールで、すべての絵を正確に並べることができた班から
解散することにしました。

3人ペアは、同クラス・同学年で見知った子同士のペアもあれば、初対面のペアもいました。
ですが、この課題のなかでは、あーだこーだ言いながら、どの班も取り組んでいました。

「鼻の穴がでかい一休さんはこっち」
「顔が細い一休さんはこっち」
「いや、自分の記憶では違う!」
「え、そうだっけ!?」
「漫画チックなのは、新しい、新しい」
「このおじいさんはこっちだよ。」

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今回は、江戸時代の浮世絵や明治時代の講談本に登場した一休さんもいれたため、
結構楽しんでチャレンジしてもらいました。

一度間違った班は、もう一度館内に戻ってもらい作品を観察してもらいます。

大体平均3回目のトライで終了できました。
鑑賞前の一休さん像は、大分崩すことができたように思います。
多様な一休さん像を知ることで、歴史における「一休さん」像の語られ方やイメージのつくられ方
が、資史料を通じて知ることができたのではないでしょうか。
当日課題のうち、「あらたに発見したこと」のなかで書いてくれたものを最後にご紹介します。

・自分が思っていた一休さんとけっこうイメージが違う一休さんが多かった。
・ひげが生えている絵があるのは意外だと思った。
・こんなに一休さんの絵があるとは思わなかった。
・一休さんを少し好きになれた。
・一休さん=とんちのイメージは後付け設定だった!
・一休さんは世の中に鋭い批判をもった人だった。
・一休さんはかっこいいということが分かった。様々な一休さんの肖像画があり、面白かった。
・様々な奇行があったとはいっても小さな動物を思う気持ちや僧としての考えは立派なものだと感じた。
 また、その考えなどを漢文や漢詩として書けるのはすごいと思った。
・とんち話は完全に江戸時代につくられたもので、一見風変わりな性格・行動がとんち話を生んだのだと思う。


庭園を一緒に歩いた生徒は、「五島美術館」という「私」の美術館という位置づけに驚いているようでした。
逗子からは少し遠く、行きにくい立地にありますが、足を運んで良かった、と思えた瞬間でした。
展示内容含め、貴重な時間を過ごさせていただきました。

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