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『そして父になる』鑑賞文ご紹介

2014/11/17

本年度の高2・高3生徒は『そして父になる』を鑑賞しました。

とてもテーマの重いこの作品。どのように読み解いたのでしょうか?鑑賞文は様々でしたが、一作品をご紹介します!

【注意】鑑賞文は時に映画の重要な内容や結末に触れる場合がありますので、お気を付け下さい。

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高3 A君

 この映画のタイトルは「そして父になる」だが、自分が男性だということもあってか、久しぶりに見る前から興味を持つことのできる作品だった。初め想像していた内容は、病院で子供を取り違えるという事故から始まる話というものだったが、実際はそれが故意に行われていたというものだった。そのようなことが許されて良いはずはないのだが、犯人は法で裁かれることはなかった。そして、そういった事件に巻き込まれた二つの家族はとても対照的なものだった。生活だけではなく、考え方までもが異なる二つの家族、そしてその家族の中心にいる「父」という存在。その「父」がどう変わり、家族の形はどう変わっていくのか。そういった作品だったのだろう。

 まず一つ目の大きなテーマは、親子という関係で最も重要なのは「血縁関係」なのか、「一緒に過ごした時間」なのかというものだろう。確かに、親子なのだから血縁関係が重要だろうという考え方も分かるが、私は、一緒に過ごした時間が大切なのではないかと思う。長い間一緒にいることで愛情も湧くだろう。それに、よく言われているのが、「子は親を見て育つ」というもので、やはり子供にとっての親というものは、目の前で見て、触れることのできる存在なのではないだろうか。この作品の中でも、親がストローを噛んでいると、子供も同じことをしていた、なんてシーンもあったくらいだ。

 そして二つ目は、子供を金で買うことができるのか、ではないだろうか。一般に考えると、それはおかしい考え方だろう。しかしこの作品の主人公はそれができると思っていた。この考え方が変わっていくのも、大事な流れの一つだったように思われる。

 本物の父親というものがどういったものであるかは私には分からないし、この作品の中に出てくる二人の父親のどちらが正しい父親なのかということも分からないが、子供にとって父親の存在はとても大きいものなのだろう。

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