学校生活
第7回田辺杯~スピーチコンテスト with 鎌倉女学院~
創立者を同じくする逗子開成と鎌倉女学院の学校交流の一環として行われているスピーチコンテスト「田辺杯」、第7回を迎えた今年のテーマは「大いなる自然と人間」です。両校とも全校生徒が参加する予選会を勝ち抜いた16名の若き弁論家が徳間記念ホールに集いました。この記事ではその16名のスピーチの様子をお届けします。

1 草柳朱花さん 自然を守る=文化を守るということ

文化がいかに自然と結びついているか、環境破壊がいかに古来から育まれている文化を破壊してしまうのかを具体的な事例と共に紹介し、自然を守ることの大切さを訴えました。
2 杉山櫂君 人工∈自然

自然と人工は対義語ではない。人も含めて自然なのだから。人は自然から外れることはできない。外れてはいけない。
3 吉田美羽音さん 森の価値を考える

自然を守ることをビジネス的な視点から考え「自然を守るのは手間もかかるし、値段もかかるが、私たちにも恩恵がある。環境を守る、だけではなく、環境に投資をする、と考えてもよいのではないか」と訴えかけました。
4 渡邉颯太君 身近な自然に返す歌

文学的視点に立ち、山部赤人や藤原定家といった歌人の歌を紹介しながら、「身近な自然の美しさに気づくことで、それが大きな恩返しにつながる」と訴えました。
5 新野花蓮さん ジャポニズムに落とし込む自然

すすき林、竹林、日本庭園といったジャポニズムを題材とし、オーバーツーリズムの問題に触れながら、環境保全の大切さを訴えました。「簡単には壊せない世界観」「自然と強調する緊張感」といった言葉が印象的でした。
6 青柳湊君 共存のための排除

アイヌと熊の関係を例として引きながら、「真の共生とは、明確な境界線を引くこと。」と訴えかけました。「無縁であっても、無責任であってはいけない」という言葉が印象的でした。
7 大日向柚羽さん 日本と世界の自然観

日本は古くから、自然の恵みに感謝する一方で、自然の脅威をまっすぐに受け入れてきた。自然を支配すべきものと捉えるのではなく、自然を畏れ、敬う日本の自然観は、世界の模範となれる、と訴えました。
8 渡邉湧太君 言葉が描く三百年前の空模様

松尾芭蕉や小林一茶の歌を紹介しながら「美しいものを記録したいという気持ち。言葉がそれを担ってきた。」と訴えました。カメラでは写しきれない美しさを確かに感じました。
9 野村日菜乃さん 自然と対話する

自然と対話は、キャッチボールであるべきなのに、ドッチボールになってしまっている、という表現が印象的でした。人間の都合ばかりを優先して一方的にボールを投げつけるのではなく、自然からの声を丁寧に拾い集めて対話をするべきだ、と訴えました。
10 諸我蒼君 自然に向けてアンテナを張ろう

小鳥のさえずり、ゆっくり進むかたつむり、これらは人間にとっては小さな歩みでも、生き物にとっては大きな歩み。自然に向けてアンテナを張ることで未来を創っていきたい、と訴えました。
11 山﨑美鈴さん 人間の意識変化と自然破壊

日本人が古くから持つ、個人の自然に対する気持ち、もともともっている自然な気持ち。幼児がものを大切にする気持ち。大人になってうすれていってしまいがちなこういう気持ちをずっと大切にしたい。
12 馬場理人君 発展と自然の神秘

「科学は自然の神秘を理解可能なものにするが、科学の発展と自然の神秘は共存できるのか」という問いを立て「共存できる」という答えを導きました。科学の発展がさらなる自然の神秘を発見すること、自然の神秘を解き明かしたとて操ることはできないこと、人の文化は自然の神秘を求め続けること、こうした根拠に基づきながら「我々は自然に魅了され続けるのだ。自然は、300年後も、きっと美しくあるだろう。」と結ぶ姿は、とても力強くうつりました。
13 沼田青葉さん もしも地球に人間が住めなくなったら

地球に人間が住めること、これがいかに奇跡的なことであるかを論じながら、その地球を守るために、我々一人が行動を起こさないといけない、と訴えました。
14 細貝恒平君 継承される自然災害の記憶

人類は過去の災害をあらゆる形で記憶してきた。神話、伝承、絵画、そして地名さえもが災害を記憶している。「先人たちの声をきけ」と力強く訴えました。
15 間々田ゆいさん 和の美徳をあなたへと

華道や茶道といった古来の和の美徳を、静寂で簡素なはかなさを捉える気持ち、と言葉にしました。我々は頂点ではなく、生き物は皆一つの輪をなしている。はなかき命を尊び、美徳こそが人類繁栄の礎となる、と訴えました。
16 奥村佳生君 黄金比から学ぶ自然と人間の調和

自然の美の法則。それが黄金比。美しさの答えは自然の中にこそある。太陽に合わせて向きをかえるひまわりのように、我々も自然にきちんと向き合い、自然からのメッセージに耳を傾けることが大切だ、と訴えました。
最優秀賞は逗子開成の馬場理人君、優秀賞は鎌倉女学院の野村日菜乃さん、逗子開成の渡邊颯太君が受賞しました。

今年も素晴らしい田辺杯でした。来年も楽しみにしています!
