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校史余滴 第26回「宇高兵作小伝③」
*「宇高兵作小伝①・②」未読の方は、まずは①・②をお読みください。
「小伝①」https://note.com/zk_koushi/n/nbbb881fc9aac
「小伝②」https://note.com/zk_koushi/n/n5265d36b5372
図版番号は、「宇高兵作小伝①~⑤」通し番号となっております。
*「宇高兵作小伝」引用・転載の際は、以下のように明記してください。
「三好彰「宇高兵作小伝」(「note 逗子開成 校史余滴アーカイブ」」)
三好彰さんの「宇高兵作小伝③」を「小伝①・②」に引き続き、発信いたします。
「小伝②」では、履歴書の記述を読み解いていただきました。そして、今回の「小伝③」と次回の「小伝④」では、宇高兵作(うたかひょうさく)の著作物に関する調査の到達点が示されています。
「小伝③」は、雑誌の掲載論考紹介です。三好さんは、2026年現段階において、宇高兵作の雑誌掲載論考を網羅された第一人者と思われます。例えば、『英語の日本』寄稿文総数は299件であることに言及されています。
これだけをとりあげてみても重要な研究成果と思われます。また、本論考の内容からは外れてしまうため、あえて詳細な言及を避けられていますが、「和英慣用法比較」の部分も注目されます。次回の「小伝④」とも関わりますが、三好さんは、宇高の著作「和英慣用法比較」をもとに、米国在住者の協力も得て、現在の英語との比較を試みられているようです。その上で述べられる「兵作の和英慣用法比較論は現在の中等教育英語には適していないようだ」という一文は印象的です。
最後に個人的に興味深く読ませていただいた点をご紹介します。それは、「ニュースの英語」です。例文に往時のニュースを取り入れ、読者の興味関心を引くように工夫している点に言及なさっています。「満洲」、「ペルー」、「伊藤博文」、「幸徳秋水」、「袁世凱」「明治43年の水害」などの用語に、歴史を担当する教員として、同時代の歴史認識について考えさせられました。
あわせて、校史編纂担当として非常にうれしかったことがあります。それは、ボート遭難事故に関する資料を引用していただいている点でした。
「沖合に於て小舟の覆りたると覺しきものを見たり」
の例文を、逗子開成の1910年の「ボート遭難」と紐づけていただいておりました。兵作の長女ハマ目線で見た、ボート遭難のエピソードまでも。
逗子開成の歴史を把握していただいている三好さんならではの視点だと思われます。「ボート遭難」に関する新出資料を知ることになりました。
ぜひ「小伝③」をご覧ください。
「宇高兵作小伝③」 https://note.com/zk_koushi/n/nf35e36269496