学校生活
中学生 道徳講演会
12月15日(月)、体育館にて中学生を対象とした道徳講演会が行われました。
講師として、ジャパンバリアフリープロジェクト代表の山田ベンツ様にお越しいただきました。
現在、日本には1164万人の障がい者がおり、これは日本の総人口の9.3%にあたります。
山田様は、障がい者のことを多くの方々に知って、理解していただくことを通じて、障がいへの無知、偏見、障がい者への冷笑、嘲り、冷たい視線を少しでも少なくし、誰もが住みやすい共生社会を創ることを目的に活動されています。
活動のきっかけは、長男が先天性の心臓疾患をもって生まれたことでした。入院先に通う中で、さまざまな病気と闘う子どもたちの姿を目の当たりにし、「一人でも多くの人に知ってほしい」という思いから、2018年にジャパンバリアフリープロジェクトを立ち上げたそうです。
まずは2年後の2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催という、世界中から東京に人が集まるという機会に合わせ、各国の大使館を訪問しながら活動を広げていきました。訪問した国の多さには驚きの声が上がりました。
「周りに障がい者がいないから知らない。それなら映像で知ってもらおう。」
山田様は、障がいを持つ方々の日常や、それを支える家族の思いを多くの人に知ってもらうため、さまざまな家族の姿を映像として制作し、現在79家族の動画をYouTubeにて公開しております。しかし、視聴者の約9割は35〜65歳で、小中高生はほとんど含まれていませんでした。
そこで始めたのが、『未来を創る授業』です。
この『未来を創る授業』は、障がいを持つ方が学校を訪問し、生徒と直接交流することで障がいについて広く知ってもらい、そこから共生社会の裾野を広げていくというプロジェクトです。
そして今回、逗子開成にはレット症候群の田中花歩さんとお母様が来てくださいました。
音楽が大好きな花歩さんの日々の生活のビデオを視聴した後、ビデオの感想や質問の時間が設けられました。
「一番辛かったこと」「楽しかったこと」「言われてうれしかった言葉」「年齢や成長による変化」「言葉以外でのコミュニケーション方法」など、普段なかなか聞くことのできない質問や感想が多く寄せられました。
『未来を創る授業』を通して生徒たちは、障がいを持つ方々への理解をより深めることができました。
そして理解が深まることで、これまで意識してこなかった身の回りの環境にも目を向けるきっかけとなりました。例えば、駅から学校までの道のりが平坦であることなど、日常の中にある「当たり前」を改めて考える大切さを学びました。
講演後、記念品として逗子開成マグカップとペンが贈られ、最後に全体で記念撮影を行い、講演会は終了しました。
貴重なお話と時間を、本当にありがとうございました。