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中学1年生 社会の授業

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中学1年生 社会の授業

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中学1年生の社会の授業の様子をご紹介します。

本時は東南アジアの農業・工業・経済について学びました。

 

東南アジアの農業といえばプランテーション農業。

プランテーション農業とは、熱帯・亜熱帯の気候を生かし、広大な農地で金銭や現地の労働力を使い大量に耕作させる農業のことであり、このプランテーションで育てられているものは油やし・天然ゴム・バナナ・コーヒーといった、輸出を目的とした作物です。

 

実際に栽培されている作物がどのようなものなのか、資料集やスクリーンに映し出された写真を見ながら学びます。

 

 

 

コーヒーの写真をみて、「コーヒーの実っておいしいんですか?」という生徒の質問。

実はコーヒーの実の中はほぼ種で果肉はほとんどないそうです。赤い実の中にある種を乾燥させて煎ったものが我々になじみ深いコーヒー豆になります。

 

プランテーション農業とはなにかを理解したところで、次は東南アジアではこのプランテーション農業がなぜさかんなのか、プランテーション農業がもたらす影響などについてを考えていきます。

かつて東南アジアは欧米によって植民地支配されていました。

栽培したい作物の農園を東南アジアにつくり、現地の人々を労働力として農業が行われていたのです。

 

プラント=植える

天然ゴムや油やしなどプランテーションで栽培される作物は、収穫するために人間が植えたものであり、もともとあったわけではありません。

プランテーションで作物が育てられる前、そこにはなにがあったのでしょうか?

 

この写真、一見すべて同じ作物に見えますがよく見ると様々な種類の緑が広がっています。

 

 

川の手前の部分がプランテーションで奥は熱帯林であることがわかります。

ということは、以前は手前の部分も熱帯林で、それを伐採したり燃やしたりすることで、育てたい作物を育てられている今につながっていることがわかります。

 

言い換えると、プランテーション作物の需要が増えることによって、熱帯林やマングローブ林が減少しているということです。

 

 

2020年にベトナムから日本にやってきた農林水産物のトップ4は以下の通りです。

1位 木材チップ

2位 エビ(生鮮・冷凍)

3位 エビ(調整品)

4位 コーヒー豆

 

コーヒー豆は先程プランテーションで栽培しているということがわかりましたが、このエビはどういうところで育てられているのでしょうか?

ベトナムをGoogleアースで見てみました。

 

海の近くにエビの養殖池を発見しました。養殖池の中は上からみると白っぽいです。

例えば、お家で金魚やメダカを飼う時、エアーポンプなどを使って水槽内に酸素を送りますね。

それが養殖池の中でも行われているので白く見えるのです。ということはこの養殖池の中では大量のエビが育てられていることがわかります。

 

少し話が変わりますが、日本には回転寿司チェーンのお店がたくさんあります。皆さん一度は行ったことがあるのではないでしょうか。

 

なぜ日本の回転寿司チェーンでは「1皿100円台」で儲けが出るのか。

お寿司のネタはマグロやサーモンといろいろありますがここでは先程出てきたエビに焦点を当てて、またスシローの経営戦略などから考えていきます。

 

「スシローのホームページを見たことはありますか?」

スクリーンに映し出されたページには、スシローでネタとして使われているものの生産地が全て載っていました。

よく見てみると、エビはベトナムやタイ産のものがほとんどであることがわかりました。

ベトナム・タイ以外にもデンマーク・カナダなどもありましたが、デンマーク・カナダ産のエビは、冷たい海に生息する甘エビなどでした。

 

そういえば、エビ(生鮮・冷凍)と、エビ(調整品)の2つ合わせると木材チップより輸出額は多くなりますが、「エビ調整品」とは何でしょう?

 

と、その前に。東南アジアの工業について見ていきましょう。欧米から植民地支配を受けていた東南アジアの独立直後はどういう状態だったのか。

天然資源である石炭やスズ、先程のプランテーション作物の生産や栽培によって経済を成り立たせてきました。これをモノカルチャー経済といいます。

 

「モノ」は1つの、「カルチャー」は文化(栽培)

つまり「一つの栽培」。

 

一つの栽培では、バナナが取れない、コーヒーが取れないとなると売るものがなくなってしまいます。

例え収穫できても何らかの要因で値段がガクッと下がった場合、売っても売ってもお金が入ってこないという状況に陥ってしまうのがモノカルチャー経済のデメリットです。

例えば自動車、パソコン、スマートフォンなど色々なものを売ることができれば国の収入源を多方面に持つことができるので何かあっても安心ですね。

 

しかしそれも、いきなりできるわけではありません。

技術や資金を持っている外国の企業を誘致、そして生産してもらうという手順を踏みます。そうすることで自分たちの国に新しい技術や新しい技術を導入するための資金を手に入れられるのです。

 

エビも加工されていないものだけを輸出するのではなく、その工場で殻を剥き、小麦粉・卵・パン粉をつけて、油で揚げたらエビフライが完成する状態にしたものなどに自国で加工してから生産しています。それが先程疑問点として出てきた「エビ調整品」というものです。

 

プランテーション農業のデメリットとは何だったでしょうか?

そう、新しい作物を植えることによって環境破壊が起こってしまうということでしたね。では、なぜそれでもプランテーション農業を続けるのでしょう?

 

その理由の一つは外貨を得る為です。

身近な例で考えてみましょう。例えばお年玉。これは家族間でお金が移動するだけで、貰った人のお金は増えますが、日本国内のお金の量が増えているとはいえません。

自国のお金を増やすには輸出することで外貨を得る必要があるのです。

 

 

地図帳や教科書だけでなく、たくさんの写真やGoogleアース、身近な生産地などのデータ、日常からイメージしやすい例え話などによって、世界の農業、文化、経済などをより近くに感じられる授業でした。

東南アジアの経済・産業などについては次回も引き続き勉強していきます。

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