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【シネマ倶楽部】『Coda あいのうた』鑑賞文

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【シネマ倶楽部】『Coda あいのうた』鑑賞文

【シネマ倶楽部】『Coda あいのうた』鑑賞文

9月27日に高校1年生が『Coda あいのうた』を鑑賞しました。

(作品概要)

豊かな自然に恵まれた海の町で暮らす高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で1人だけ耳が聞こえる。陽気で優しい家族のために、ルビーは幼い頃から「通訳」となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、合唱クラブを選択するルビー。すると、顧問の先生がルビーの歌の才能に気づき、都会の名門バークリー音楽大学の受験を強く勧める。だが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず大反対。ところが、思いがけない方法で娘の才能に気づいた父は、意外な決意をし……。
アカデミー賞の前哨戦とも言われるサンダンス映画祭で、史上最多4冠に輝き、世界を沸かせた必見の一本。映画祭で上映されるやいなや、各国のバイヤーが配給権に殺到し、サンダンス映画祭史上最高額の約26億円で落札された!
ルビーの家族役には、全員実際に聞こえない俳優たちをキャスティング。
聞こえない耳に届く最高の歌声に、君たちは何を聞くだろうか。

CODA:Child of Deaf Adultsの略語で、聾の親を持つ子どもという意味。
CODA:楽曲や楽章の終わりや曲中の大段落を締め表す音楽記号。新たな章の始まりの意も。

※生徒の鑑賞文には映画の内容も含まれますのでご注意ください。

(S1E Sくん)

この映画を見て心に残った場面は二つある。
一つ目は、ルビーの歌の発表会にてろう者であるルビーの家族の状況を無音という形で映像化したところだ。それまでの話の流れを見ていると、耳が聞こえなくても手話を通じて聴者と楽しそうにコミュニケーションを取っている場面が多かったので、見ている自分からすると手話があればそこまでひどい苦労はないのかと勝手に思っていた。しかし、映像がルビーの家族視点に切りかわり無音になると、音が聞こえないために周りをよく見て口元の動きや表情、所作などを必死に観察しても周りの状況に追いつけていけない家族を描いておりとても驚いた。今までの感想は音がある上での感想だったが、いざ音が無くなると感じ方はガラッと変わり、ろう者は想像を絶する苦労を感じていたのか、と思った。
二つ目は発表会が終わり、家に着いた後、車の荷台の上でルビーの歌を父が聞く場面だ。耳が聞こえないため父は歌うルビーののどに手をあてて歌を感じていた。歌を感じていくにつれて目に涙がたまっていく父の姿を見て自分はとても感動した。本来聞くための歌をのどに手をあてて直接感じ取るという親子の行動に素晴らしいと思った。
この映画は全体を通してろう者と聴者の関係、ルビーの合唱に対する思いと家業の漁に対する思い、色々な感情が複雑にからみ合っていたが、合間合間に入るユーモアにあふれた表現や主人公ルビーの美しい歌など、バランスが良かった。家族の温かい思い、感情をこの作品を通して感じられ、とても良かった。

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