学校生活
【シネマ倶楽部】『熱烈』鑑賞文

7月2日に高校2・3年生が『熱烈』を鑑賞しました。

(作品概要)
ブレイキンプロダンスチーム「感嘆符!」は、カリスマダンサーのケビンが練習にも出ずやりたい放題。コーチのディン・レイも形だけで口を出せず、かつてオーディションを受けた青年、チェン・シュオを振りだけの代役としてチームに参加させることに。チェン・シュオは仲閒たちと練習を続け、友情を築いていく。だが全国大会を目前にさまざまな試練が降りかかる。「感嘆符!」は全国大会で勝利することができるのか? チェン・シュオはレギュラーに残ることができるのだろうか!?
主人公であるチェン・シュオを演じるのは、ワン・イーボー(王一博)。アイドルグループ
UNIQのメインダンサー、リードラッパーとして活躍。彼が最初に習得した技は「エルボーエアー」というもの。肘で後ろに飛ぶような技で、よく使われる代表的な技。その他にも「エアートラックス」や「ヘッドスピン」、「ベビーウィンド」などクオリティーの高いベーシックな動きをメインに踊っている。これらの技を大きくまとめると「パワームーブ」という動きになる(詳しくはダンス部解説よろしく)。
ダンス未経験者でも熱狂が止まらなくなること間違いなし。NO1を目指す君たちにぴったりの100%青春感動ストーリー!!
- 生徒の鑑賞文には映画の内容も含まれますのでご注意ください。
(S3A Kくん)
正直、中国映画はカンフーのイメージが強く、また、ダンスに興味がある訳でもなかったので、期待値はあまり高くなかった。しかし、その予想をはるかに上回る面白い映画に出会うことができた。ストーリー自体は逆境をチームの力で克服し、全国大会で優勝するという王道のものだったが、その過程がドラマチックに描かれており、強く心を揺さぶられるものだった。
二時間の映画全体を通じて感じたことは、見ている者を圧倒する映像の迫力だ。特にダンスバトルのシーンでは、俳優の高いダンス力もさることながら、緩急のついた音響や照明の工夫で臨場感があった。また、主人公の初舞台のシーンでは、無音の瞬間をつくることで、主人公が緊張している様子が分かりやすく伝わり、主人公を応援したくなるような気持ちを起こさせていた。
この映画の中で特に心に残ったセリフは、「これが現実だ。」だ。このセリフは作中に二回登場する。一回目は丁コーチが主人公に大金を渡して、チームを辞めることを了承するよう迫るシーンだ。強い葛藤を感じながらも、自分のキャリアや人生のために主人公を見捨てるしかないという辛い現実を観客に印象づけたシーンだった。主人公も絶望の淵に追いやられただろう。一方、二回目は「感嘆符!」が優勝を決めたときの実況だ。絶望と達成感、あるいは必要とされない辛さと唯一無二(まさに副題)となった喜びという全く対極にあるものを同じセリフで表現したことは非常に心躍る瞬間だった。
中高六年で、この映画鑑賞という行事を通して、普段は見ることのないジャンルの作品に触れることができた。くわず嫌いをせずに様々な作品を観てみたいと思える作品だった。