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シネマ倶楽部】『桜色の風が吹く』鑑賞文

2024/06/30

6月12日・13日に中学1~3年生が『桜色の風が吹く』を鑑賞しました。


(作品概要)

9歳で失明、18歳で聴力を失いながらも、大学へ進学し、世界ではじめて盲ろう者の大学教授となった東京大学先端科学技術研究センター教授・福島智さんをご存じだろうか。これは、そんな智さんと母の令子さんの実話にもとづく物語。

関西の町に暮らす令子は教師の夫と3人の息子と幸せな日々を送っていた。末っ子の智は幼少時に視力を失いながらも、家族の愛に包まれて天真爛漫に育つ。やがて令子の心配をよそに東京の盲学校で高校生活を謳歌。だが18歳のときに聴力も失う。孤独にある智に立ち上がるきっかけを与えたのは、令子が彼との日常から見出した、新たなコミュニケーションの「手段」だった...。

自分の可能性を諦めない智を支え、母としてのたくましさを得ていく主人公・令子を、『ALWAYS三丁目の夕日』をはじめとする映画で印象を残した小雪が熱演。智役は、気鋭の若手俳優・田中偉登。愛すべき楽天的な姿とともに内面の深さをも体現した。真摯で温かな人間賛歌に、鑑賞後は、生きる希望と優しい気持ちに満たされるだろう。

桜色の風が咲く①.jpg

※生徒の鑑賞文には映画の内容も含まれますのでご注意ください。

(J2G Iくん)

 「生命は自分自身だけでは完結できないようにつくられているらしい。」

これは、物語の終盤で主人公の母、令子が放った言葉だ。この物語は九歳で両目を失明し、さらには十八歳で両耳が全ろうとなった障害を乗り越えて、世界で初めて全盲ろうで大学教授となった福島智という人の半生を描いている。映画の中で、主人公の智は光が差し込まず、音が響かない暗闇に独りで放り込まれる。そして、母親の令子は息子の人生の可能性を最後まで否定せずに愛情を注いで、孤立無援の状態で病院の電話をかけ続ける。僕は最初、映画を観ていて結末が分かっていたとはいえ、智が並みの精神力ならばいつか挫折するだろう、と思い込んでいた。しかし、智は、その先入観を取っ払って、時にはやりきれなさを叫びつつも堂々と生きていた。ここには両親と二人の兄、そして信じてよいのか分からない名医を初めとする多くの伴走者がついていた。ここで最初に戻りたい。きっと、令子があのような発言をしたのは、智の後ろに大勢の助けがあったことを知っていたからだと思う。そして智も母親が一番の支えであることに気付いている。これは健常者の我々にあてはまるのだろうか。僕は今中学生で、両親と先生を中心に助けられながら生きている。この人たちが突然消えたら、必ず路頭に迷うだろう。仮に生命が自分だけで完結していたら、きっと助けられることのありがたみを知らない、心に温かみのない人になってしまうだろう。我々の喜怒哀楽を発現する心はきっと周りの人達がいてこそあるもので、人は周囲の助けがあってこその自分、そしてその助けに気付き感謝しなければならない。これが映画のメッセージだと感じた。だから僕は自分を失わないように、僕の人生の完結に携わってくれている人から伸びてくる支援の手に気付けるように育ちたい。

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