ニュース

父親講演会

2023/08/31

逗子開成では年に一度、PTA主催で「父親講演会」が開催されます。

日々変化・成長していく息子とどう向き合っていくか、同じ思いを共にする同士で改めて考える貴重な機会となっています。

本年は 「父親として思春期の子どもにどうかかわるか」がテーマでした。

以下、会を主催されたPTAの方からのご報告です。


 

本校PTAでは毎年6月に(父の日に因んで)外部より講師の方をお招きして、お父様方を対象にした講演会を開催しております。

今年度は「親業訓練協会」インストラクターの草柳明彦先生を講師としてお迎えし、「父親として思春期の子どもにどうかかわるか」をテーマにお話しいただきました。

 子育ての課題として必ず挙がるテーマは子供たちの「自律~自立」です。この度の草柳先生の講演でも、「親の価値観を押し付けることなく」「しっかりと傾聴し」「子供の自主性を尊重し」「子供の自律(自立)に繋げる」というようなお話がありました。

 子供たちの自律という観点で言えば、本校の土曜講座も「自分の将来を見つめる機会を作る」という点において「自律を促すカリキュラム」と言えるでしょう。ほかにも本校の特長とも言える遠泳やOPなど海洋教育も含め、逗子開成では子供たちの自律を促す校風が他校に比べて強いように思います。

しかしながら、子供の自律にとっての一番の課題(難敵?)は何なのか、と言えば私たち「親自身の忍耐」なのではないでしょうか。勉強しなさいと口うるさく言ってしまったり、親自身の価値観を押し付けてしまったり......。草柳先生のお話の中でも、子供の言葉への傾聴のシーンなど、親の側の忍耐が試されるのだと感じました。

親による自覚なき過干渉が子供の自律を阻害するケースは非常に多く、この度の講演会での質疑応答からも、皆さん、同じような悩みを持っていることが窺えましたし、そこに共感したり安心したりすると共に、新たな決意や覚悟を持たれたお父様も多かったようです。この講演がお役に立てたのであれば幸いです。

chichikon.jpg

カテゴリー :
PTA活動報告

逗子開成学園八方ケルン修復工事完成確認及び竣工式報告

2023/08/29

8月3日(木)~5日(土)の2泊3日で,逗子開成学園120周年記念事業の1つである八方ケルン修復工事の完成確認と竣工式を行うため長野県白馬村に行ってまいりました。例年52会(高29回卒業生の会)有志で実施している八方尾根慰霊登山に同行する形で行われました。

■ 8月3日(木)
この日の予定としては,ケルン修復にあたり長野県等に提出する書類で,ご協力いただいた白馬村役場と施工業者である田中建設さんへの訪問です。
昼頃,白馬村に到着し,事前に約束していた村役場15時にはまだ時間があったため,当時の遭難事故に関係する長谷寺,南股川,白馬村交番前慰霊碑に立ち寄りました。

1.jpg 

長谷寺                 

(当時の住職により荼毘に付された)

  

2.jpg

南股川

(この川の上流で遺体が発見された)

3.jpg 4.jpg

白馬村交番前の石碑と石板の拡大写真

(顧問教員1名と生徒5名の名前が刻まれている)

15時に白馬村役場教育委員会事務局を訪問し,今回の修復工事に関わる提出書類について,ご協力いただいた教育委員会事務局の小島麻衣子さんに御礼のご挨拶をさせていただきました。その後,16時30分に,修復工事施工業者である田中建設さんに行き,ケルン修復の完成の御礼を行い,また,工事完成報告書を受け取るとともに工事の過程と工事が順調に進んだことなどの話しを伺いました。

■ 8月4日(金)
ゴンドラとリフトを乗り継いで八方池山荘まで行き,そこから歩いて小一時間ほどのぼると八方ケルンに到着します。ケルンの修復状況を皆で確認後,竣工式として学校の広報部で作成してもらった横断幕を持ち,修復工事完成記念としての写真を撮りました。その後,小池和尚さんにより,亡くなった6人の御霊の供養をしていただきました。小池和尚の読経の間,我々も改めて心引き締まる思いで6人の冥福を祈るとともに,ケルン修復の完成の御礼と登山の安全を願って線香をあげました。

5.jpg 

修復前の八方ケルン(2017.8.撮影)

6.jpg

修復後の八方ケルン

7.jpg
八方ケルン修復工事竣工式

 

9.jpg 8.jpg

小池和尚の読経による供養

■ 8月5日(土)
帰途につき無事にケルン竣工式を兼ねた慰霊登山を終えることができました。

カテゴリー :
その他の活動

【松坡文庫研究会】第六回講演会「山陰游草 松坡、揚鶴大江卓との旅」

2023/08/25

松坡文庫研究会の第六回講演会をご案内いたします。本校初代校長田辺新之助(松坡)と神奈川権令大江卓との明治45(1912)年の山陰旅行を漢詩でめぐる講演会です。本校のボート遭難事件は明治43(1910)年のことで、田辺先生が本校の校長職を辞すのが大正2(1913)年です。その間にあたる山陰旅行。水の都・松江からどんな思いで「海」を見つめたのでしょうか。奮ってご参加ください。

日時:令和5年(2023年)10月7日(土) 14:00~16:00(開場13:30)
講師:袴田潤一(はかまだ じゅんいち)(松坡文庫研究会代表)
場所:鎌倉市中央図書館3階 多目的室 (248-0012 鎌倉市御成町20-35)
定員:申込先着 30名 入場無料

 講演会の申込開始は、9月1日(水)より。参加申込方法、会場地図、問い合わせ先等につきましては、以下のチラシファイルをご確認ください。

20231007 第六回講演会 山陰游草.pdf

*なお、新型コロナウイルス感染症の感染防止にご協力ください。また、感染拡大による社会状況の変化によりましては、中止の場合もございますこと予めご了承ください。

20230825挿入.png

カテゴリー :
松坡文庫研究会

2023年 夏の海外研修プログラム

2023/08/24

逗子開成は、希望者向け海外研修プログラムが豊富にあります。

ここではこの夏に行われた、セブ島・イギリス・アメリカでの研修の様子をお届けします。

 セブ島 

「7月30日に生徒17名(中3~高2)と成田を出発して、マクタンセブ空港に、夜に到着。
すぐにセブ・シティのEVアカデミーに移動。食堂で夕食をいただきました。
31日は、午前中にプレイスメント・テスト(レベルチェックテスト)を受け、その後、近くのマーケットで日常品を購入し、午後は明日からのオリエンテーションを受け、校内の施設案内を受けました。
8月1日から、朝の8時から夕方5時過ぎまで1日9コマ、セブ島英語集中研修が始まります。それ以外にも希望者には、スピーキング等のオプションクラスもあります。
来週の10日木曜日には、みっちりと勉強した成果を確認するプログレス・テストがあり、翌金曜日には卒業式です。
しっかり2週間がんばってきます。」

364042544_778100484316263_1871827796429424384_n.jpg364684353_778100314316280_7523981645458350936_n.jpg

364106304_778100490982929_2885331007770558594_n.jpg364732670_778100504316261_8703599152370009525_n.jpg

364020679_778100517649593_1188999042839077364_n.jpg364108087_778100527649592_1319359484852551256_n.jpg

「8月2日水曜日のランチは、「レチョンDAY」ということでこちらのローカル料理「レチョン」、子豚の丸焼き料理、が出ました。みんな楽しんでいました。「パンシット」というセブの焼きそばもよく出ます。
蚊にかまれたり、お土産で買ってきたケチャップを落として割ったりと、色々とあったりしますが、部屋も快適で睡眠もしっかりととれているようです、翌日の授業の準備(予習)はありますが...。
5日土曜日には、セブで2番目に大きなショッピングモール、「アヤラモール」に、この研修中唯一の外出としてショッピングに出かけました。
お土産を買いこみ、現地の外食を楽しみました。買い物中に現地のお客さんに質問したり、自分たちでオーダーをしたり、外での実習をしている生徒もいました。
帰ってきてから外のバスケットゴールで遊んでさらにリフレッシュする姿もありました。
こちらも暑いには暑いですが、日本よりは少し過ごし易い感じです。
日曜日は、授業がないので、休養したり、授業の準備をして、来週月曜日からの、後半のスタートに備えます。」

363383147_782333393892972_5774642673520542091_n.jpg366018220_782333410559637_203278992512211845_n.jpg

363349802_782333333892978_3363580746927200192_n.jpg366316609_782333360559642_8194959523731117862_n.jpg

363344647_782333420559636_1592139866062839074_n.jpg366047088_782333350559643_5493233099876262716_n.jpg

363360369_782333373892974_2416547002005755246_n.jpg

セブ島における2週目の研修の後半、10日木曜日のプログレス(確認)テストを終え、11日金曜日の卒業セレモニーを迎えました。
セレモニーでは、17人全員が、一人ずつ、2分から3分のスピーチでこの2週間の成果を披露しました。教えていただいた先生たちや一緒に学んでいた友人たちも参加してくれました。翌12日土曜日も、フライトの予定の関係で朝の5時には、EV ENGLISH ACADEMYを出発しなくてはなりませんでしたが、何人かが見送りに起きてきてくれました。
色々な出会いがありました。現地でお世話になった皆さま、本当にありがとうございました。成田に到着してセブ島での2週間の研修は終了しましたが、それぞれにとって、これから新たな自分磨きの研修が始まることでしょう。

366972406_785754253550886_2495518814008361096_n.jpg366975154_785754203550891_7085755781377392679_n.jpg

366946599_785754233550888_5184689131148936367_n.jpg367026110_785754243550887_4869080505183306329_n.jpg

366944134_785754173550894_4058865195722514801_n.jpg366346887_785754166884228_4145161298597903088_n.jpg



 イギリス 
今年から始まった夏休みイギリス研修。パリのシャルルドゴール空港での乗り換えを含め、約16時間のフライトを経て、ロンドンのヒースロー空港に到着。イギリスは0時過ぎ、翌日はボーンマスへの移動とホストファミリーとのご対面です。

365955079_780776847381960_1771366839243702135_n.jpg

イギリス研修も終盤を迎え、現地より生徒たちの写真が届きました。

ホームステイ、語学学校、ロンドンで過ごす時間、みんな充実した表情を浮かべていました。

366311954_784849593641352_1558294641448003869_n.jpg366060050_784849583641353_336459637497084096_n.jpg366989707_784849623641349_6512911750035425009_n.jpg


 アメリカ 
羽田空港出発からサンディエゴ到着までの様子です。
全員無事にホストファミリーと対面することができました。

360129586_771128161680162_6018670987213218027_n.jpg362641979_771128151680163_6769128268878440856_n.jpg

ホストファミリーとの生活、カリフォルニア大学での研修、現地大学生達と交流する姿、ランチはみんなでギリシャ料理。午後は現地大学生たちとキャンパス巡り、その後グループでチームビルディングアクティビティを行うなど、とても充実した時間を過ごすことができたようです。

363403793_772833638176281_6225206814107936154_n.jpg361583368_772833664842945_8360330929922016649_n.jpg

361914254_772833618176283_4473369660573451743_n.jpg363301792_772833701509608_6688852895900817300_n.jpg

363306020_772833731509605_5031811983354230180_n.jpg361597208_772833754842936_9199132264202838296_n.jpg

カテゴリー :
国際交流報告

【松坡文庫研究会の活動】 幻の「春洞西川翁碑銘」

2023/08/14

【松坡文庫研究会の活動】幻の「春洞西川翁碑銘」

(松坡文庫研究会代表 袴田潤一)

 明治、大正にかけて活躍した書の大家に西川春洞という人物がいます。漢字の各体に優れ、その門に学ぶ者2,000人を数え、明治の漢字書道界で最も多くの門下を擁した日下部鳴鶴と双璧を成していたといわれます。

 西川春洞(にしかわ しゅんどう、名は元譲 1847~1915)は代々医をもって唐津藩に仕えた家に生まれ、始め祖父の西川亀年に、のち中沢雪城の門で学びました。6歳のときには楷書千字文を書いたといいます。尊攘を唱え国事に尽くし、維新後は大蔵省に出仕しましたが、まもなく辞して書道に専念しました。

 唐津藩出身であった春洞と松坡田辺新之助先生は親しい交友がありました。松坡先生が幹事を務めた旧唐津藩の育英団体久敬社での活動がきっかけになったことでしょうし、先生自身、日下部鳴鶴のもとで書を学んでいたということがあります。松坡先生は鳴鶴が主宰していた大同書会の機関誌『書勢』の漢詩欄の撰者を務めていました。

 明治36(1903)年に出版された『中等習字帖』(全三冊)という本は「田邊新之助編 西川元譲」とあり、先生が選んだ語句を春洞が書いた習字のお手本帖で、中学校での書道の授業で使用されたものだと思われます。出版元は「田沼書店」とありますが、東京開成中学校や第二開成学校で用いられた私家版的なものだったのかもしれません。残念ながら現物を見るには至っていませんが、漢籍から選ばれた秀句が春洞による正楷で書かれているのでしょう。

 ところで、『書勢』第5巻第4号(1921.4)に田辺松坡による「春洞西川翁碑銘」と題された文章が掲載されています。碑文の定型に従い、その人の経歴・為人・追悼詩・撰文の経緯が記されています。春洞の没年、碑陰の年紀「大正十年八月」から考え、春洞の七回忌を期して建碑が企てられ、松坡先生が撰文者として指名されたのでしょう。稿には、「頃者門人胥謀樹碑於目黒瀧泉寺。徴余文。余與翁有舊。誼不可辭。」 頃者(このごろ)門人胥謀(あいはかり)碑を目黒瀧泉寺に樹てんとし、余に文を徴す。余、翁と旧有り、誼しく辞すべからず、とあります。

 しかし、目黒龍泉寺(目黒不動)に建つ高さ5m余、幅2m弱の「春洞西川先生碑」の碑陰には「門人武田白謹撰 豊道慶中謹書」と刻まれているのです。武田白、豊道慶中は「春洞門七福神」と称えられた七人の高弟のうち武田霞洞と豊道春海です。松坡先生の「春洞西川翁碑銘」はいったいどうなったのでしょうか。「ボツ」になったと考えるのが普通でしょうが、その経緯や理由については長年不明のままでした。

 さて、最近、松坡先生の詩軸を手に入れました。共箱の蓋表に「田辺松坡詩書」と書かれ、中には軸だけでなく封筒に入った古い新聞の切り抜きが二枚収められていました。『日本経済新聞』で長く連載されている「私の履歴書」で、豊道春海が扱われている2回分でした。詩軸の旧蔵者が切り抜いて封入したものに違いありません。一読して吃驚。春洞西川先生碑建碑の経緯、田辺先生の撰文がボツになった事情について春海が詳しく語っているではありませんか。長くなりますが、昭和43(1968)年9月20日の記事から引きます。

 次は撰文をどうするかであるが、ヘタな文章を書いて恩師の恥になってはいけないので、恩師と同じ肥前唐津小笠原藩出身の詩文の大家田辺松坡先生にお願いすることにし、鎌倉だったと思うが私が先生のお宅に伺って承諾を得た。ところが出来上がった撰文を拝見すると、文中に"春洞先生は下町書家であった″というような表現があった。当時春洞先生と並び称された書家の日下部鳴鶴翁は官についてその方の旗頭であり、春洞先生は在野の巨頭であった。その対比から田辺先生は下町書家と書かれたのであろう。われわれには単なる「町書家」であるような印象を与えた。後世に残る碑文にそのような感じを与える個所があってはならない。この点だけはどうしても直してもらおう――と衆議一決した。...(中略)...案の定、田辺先生は「わしにはわしの考えがある」といって、いくら嘆願しても頑として耳をかしてくれない。

 結局、建碑は弟子が行うのが筋であり、撰文は武田霞洞が、書は豊道春海が行い、田辺先生が心血を注いで書いた文章は長く西川家に保存して貰うということで、田辺先生も納得したと続きます。

 長年の疑問が氷解し、松坡先生の気性の一端を知ることも出来ました。それにしても新聞記事を切り抜いて詩軸の箱に入れたのは誰でしょうか。想像は膨らみます。

 ※ 参考までに「春洞西川翁碑銘」の冒頭部分を書き下しで紹介しておきます。

東京の地勢、古来分れて二つとなる。高部は山手と曰い、侯伯官人多く住む。低部は下町にして、即ち市街なり。風気亦た同じからず。寛政中、亀田鵬齋は磊落不羈、下町の儒者を以てし、官儒と拮抗す。下りて明治に逮(オヨ)び、官人の書を能くするは巖谷一六・日下部鳴鶴たり。之れと鼎立するに、春洞西川翁有り。下町の書家を以て自から居り、標持すること頗る高し。

『書勢』春洞西川翁碑銘(部分).jpg

「春洞西川翁碑銘」稿冒頭(部分)『書勢』第5巻第4号(1921.4)より転載(鎌倉市中央図書館蔵)

カテゴリー :
松坡文庫研究会
前の5件 7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17

カテゴリ

最新の記事

アーカイブ

ページトップへ戻る