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シネマ倶楽部『ボヘミアンラプソディ』鑑賞文

2019/07/20

7月2日(火)に高校2年生,3年生が徳間記念ホールにて『ボヘミアンラプソディ』を鑑賞しました。生徒の鑑賞文を紹介します。

<物語概要>

レディー・ガガが「史上最高の天才エンターテイナー」と称賛。それが伝説のバンド〈クイーン〉のリード・ヴォーカル、フレディ・マーキュリーだ。彼の名前も顔も知らなくても、「ボヘミアン・ラプソディ」、「伝説のチャンピオン」、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」などのワンフレーズを耳にすれば、誰もがたちまち心浮き立ち、思わず歌い出さずにはいられない。どうやってフレディは、世間の常識や既成概念に逆らい、従来の音楽を打ち破り、地上で最も愛されるエンターテイナーになったのか? そして崩壊寸前に陥ったバンドを立て直し、永遠のレガシーを確立したのか?

魂が乗り移ったかのようにフレディを演じたのは、『Mr.Robot/ミスター・ロボット』でエミー賞受賞俳優のラミ・マレック。監督は『X-MEN』シリーズのブライアン・シンガー。クイーンのメンバーが音楽総指揮を務め、甦った32もの不朽の名曲には主にフレディ自身の歌声が使われ、鳥肌ものの感動を呼び起こすこと間違いなし! アカデミー主演男優賞ほか受賞作品。

ボヘミアン01.jpg

【注意】鑑賞文は時に映画の重要な内容や結末に触れる場合がありますので、お気を付け下さい。

高校三年Aくん

白人でなくゲイでありゾロアスター教徒で、最終的にエイズに罹患する社会的マイノリティであったF・マーキュリーにとって、友人・家族・仲間とは一体何であったか、彼にとって音楽とは何だったかを考えることは簡単ではない。

 映画を観て初めに感じたのは、F・マーキュリーのパフォーマンスとしての能力の評価が失墜したことはほとんど無かったことだ。にもかかわらず、自身の生涯がノンフィクション映画として見応えのある一作と成り得るには、何か別の一要素が本作の主題とならなければいけない。

 それは「軋轢」であったと思う。

 主人公が最初に軋轢を生じさせたのは彼女へのマイノリティの告白である。それまで気持ちが良いほどスラスラ進んでいた物語がここで一つ変化を見せた重要な場面だった。その他にも、他メンバーがそれぞれ家庭を築いている中で孤独だった主人公が感じた軋轢であったり、重要な局面において軋轢はことごとく登場する。その後、彼はそれを理由にソロでの活動を開始する。

 彼女との、メンバーとの、社会との軋轢によって孤独であると感じていた彼は近視的になり、仕事へと注力する。しかし、彼女の「あなたは一番愛されている」という言葉で視界が晴れ、残された時間をメンバーと共に過ごすことを決意した。

 史上で最も偉大なグループの一つを作り上げたのは、軋轢を超えた音楽の力であった。メンバーは音楽という屋根の下で家族であった。

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