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松坡文庫研究会の活動 新史料

2019/05/08

松坡文庫研究会の活動報告を、代表の袴田潤一元校長よりいただいたので紹介いたします。


松坡文庫研究会の活動の一つに資料(史料)収集がありますが、このたび、『校友會襍志』第参號を入手しました。明治44(1911)年12月に逗子開成中学校校友會が発行したものです。これまで、学園には大正期の『修養會誌』が何冊かあったものの、明治期に遡る校内刊行物はなく、今回手に入れた冊子は、当時の学校の様子を具体的に知ることができる大変貴重なものです。

 明治44(1911)年といえば、七里ヶ浜沖でのボート遭難事故から一年後で、『校友會襍志』にも「遭難生徒一週年忌祭」の記事が掲載されています。

 「今日 一月二十三日、吾等の母校を想ふ時、また忘る可らざるの日として、吾人の腦裡に印せざるべからず。」

と始まる報告が記されています。

 一週年忌祭は逗子延命寺で、職員・生徒・遺族・田越村役場員・小学校生徒列席のもと午後2時より挙行され、読経に続いて、田邊新之助校長、宇高兵作先生(教頭)、生徒総代神倉佐安、田越村長桐ケ谷新助の祭文朗読があり、一同の焼香が続きました。亡くなった松尾寛之君の遺族の訓示演説もありました。

 記事には漢詩人田辺松坡の詩も掲載されています。

波間誰復網珊瑚

當日懷沙事已夫

殘雪梅花延命寺

焚香祭十二生徒

   一週年忌祭遭難生徒  田邊松坡

『校友會襍志』第参號.jpg

『校友會襍志』第参號 表紙
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