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映画『ワンダー 君は太陽』 鑑賞文

2019/03/22
中1・中2の生徒が鑑賞しました。生まれつきの障がいにより人とは違う顔の10歳の少年が、
初めて通う学校でいじめに会うが、少年の行動によって同級生たちが少しずつ変わっていくという、感動作です。 【注意】鑑賞文は時に映画の重要な内容や結末に触れる場合がありますので、お気を付け下さい。

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中2 М君    僕は「ワンダー君は太陽」という映画を観た。そこにあったのは外見によるいじめについての問題であった。  この映画のストーリーは遺伝子の疾患によって普通の子には見えない、主人公オギー・プルマンを中心に描かれたものだが、それだけではなく、オギーの姉ヴィアやその友達であるダニエルなど、各登場人物の世界観が表されているのも見どころだと思う。作中でもあったようにオギーという太陽の周りを回っている惑星というのがキーポイントだと感じた。もちろんオギーを取り巻く様々な人間ドラマが共感を呼び、感動が止まらなかったのだが、僕はそれよりもオギーの周りにいる人、家族や親友であるジャックなどの絶妙な距離感に注目してしまった。特に姉のヴィアや親友のジャックはとても複雑だった。  オギーの姉であるヴィアは両親から「世界一手のかからない子」と呼ばれているほどで心配をかけるようなことは何一つ話さない。本当は自分にも注目してほしいけれども、絵本のイラストレーターと美術の先生になる夢をあきらめた母に、甘えることができなかった。そんな彼女の心の支えとなったのがヴィアのおばあちゃんであるソニア・ブラガだった。しかしおばあちゃんは亡くなり、幼馴染で大親友のミランダからも距離をおかれ、悩んでいた。しかしそこで演劇クラスのジャスティンという魅力的な男の子から声をかけられ、またいつもの自分になることができた。  次にオギーの親友ジャックだが、出会いは学校の紹介の時である。最初は母に優しくしてやれといわれて仲良くしていたが、理科の小テストで答えを教わったことをきっかけに、二人は意気投合した。オギーの自宅に招かれ、息子の初めての友達を大歓迎する家族とともに仲良くなっていく。しかしハロウィンの日にクラスの中心であるジュリアンにオギーの悪口を言っていたのを聞かれてしまい、距離をとられてしまう。それはジュリアンにオギーとの関係を知られたくないためのうそなのだが、それを知らないオギーは激怒する。その後オギーをいじめるジュリアンを殴るなどの勇姿を見せるなど、オギーもジャックのことを認め直し、劇的な仲直りを果たす。複雑な環境にいながらも、オギーの魅力に気づいてかばうなどの彼の行動はとてもかっこよかった。  この映画でも沢山の名言があったが、僕の心に一番響いた言葉はオギーの通う学校のトゥシュマン校長のセリフであった。「彼の見た目は変わらない。変えられるのは我々の見る目。」このセリフから、いろいろなことをありのままに受け入れる柔軟性と強さ、そして優しさの大切さが分かる。そして今、私たちに一番必要なのは、ズバリこれなのではないだろうか。

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