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サントリー美術館「扇の国、日本」を見学しました

2018/12/28

12月8日(土)土曜講座「そうだ!博物館へ行こう!!」サントリー美術館編が実施されました。中1~高2まで合計20名が集まりました。目的は特別展「扇の国、日本」(会期2018年11/28~2019年1/20)でした。当日は、開館10:00すぐに館内へ。まずは教育普及担当の方のフレンドリートークです。展示全体の見どころについてレクチャーしていただきました。17世紀の『扇屋軒先図』の紹介では、扇制作の工程について質問を投げかけていただき、扇が流通していく過程について想像力を働かせることができました。トーク終了後は、二つの個人課題に取り組みました。一つは、館側の制作による「わくわくワークシート」を活用させていただき、気に入った扇をスケッチし、気づいた点をまとめるというもの。もう一つは、展示からはじめて知り得た扇に関する知識をまとめ、最も印象的だった展示について自分なりの言葉でまとめるというものでした。

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 扇のスケッチは、参加生徒それぞれがそれぞれの方法で取り組んでいました。詳細に描き切ろうとするものから、単純化を試み疑問点をたくさんあげるものまで。このワークシートの目的の一つはスケッチを通じて細部への鑑賞をうながし、子どもたち自身がさまざまな気づきを展示から得ることにありますが、参加生徒たちは見事にその術中にはまっているようでした。スケッチが簡単そうな、日輪を配した「陣扇」を選択している生徒でも、その使い方や呪術的な視点をメモしていたり、他の展示室にある屏風中の武者が「陣扇」を手にしている点に気づいていたり、と限られた時間の中でそれぞれの視点で鑑賞を行っているようでした。作品それぞれを比較の視点で鑑賞している点は、とても評価されました。


 また、今回の展示から新たに得た扇の知識を問うた課題については、書いたものを見てみると、参加生徒にとって「扇」に関するイメージを一新する時間を過ごすことができたようでした。カンニングペーパーとしての扇、邪気を払うための扇、コレクターのための扇、刀の鍔に描かれた扇などなど、さまざまな扇を鑑賞することによって扇の持つさまざまな側面に注目できているようでした。教室で学ぶ歴史の授業では、扇についてじっくり学ぶ機会はあまりありません。今回の特別展を通じて、「扇」が持つさまざまな広がりある世界を学ぶことができました。
最後になりますが、事前打ち合わせから当日までご丁寧にご対応いただきましたサントリー美術館と教育普及担当の皆様にお礼申し上げます。

サントリー美術館特別展「扇の国、日本」(会期2018年11月28日~2019年1月20日)
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2018_5/index.html

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