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映画『ドリーム』鑑賞文

2018/05/10

中1中2の生徒が鑑賞しました。NASAで初期の宇宙開発計画を陰で支えた3人の黒人女性数学者の、知られざる活躍を描いた作品です。

【注意】鑑賞文は時に映画の重要な内容や結末に触れる場合がありますので、お気を付け下さい。

中1T君

 僕は「ドリーム」という題名を聞いて、「見る人に夢や感動を与える映画なのだろうな」と予想していましたが、予想以上に感動的な映画でおどろきました。

舞台は1961年のアメリカのNASAで、まだ黒人差別が残っている時代でした。

 優秀な黒人女性で主人公のキャサリンは、同僚のメアリー、ドロシーと一緒にロケット打ち上げのための計算係の仕事をしていましたが、3人に対する差別は、僕にとって信じられないものばかりでした。

 黒人を含む非白人は、白人用トイレを使用することができず、800mも離れた有色人種用トイレに行かなければならない上、共用自転車を使えず徒歩で往復しなければならないことやコーヒーポットさえ人種分けされているのを見て、驚きというよりか、「なぜこれほど意味のない馬鹿げたことをするのだろう」と思いました。

 僕は1862年にリンカーンが「奴隷解放宣言」をしたことは伝記を読んで知っていたので、これから約100年後のNASAという先進的な職場で、トイレやポットだけでなく、重要な会議には男性しか参加できないとか、エンジニアになるための学位を得るための大学に黒人女性が通うことができないなど肌の色や性別だけで優秀な人の能力を活用できなかったことは、もったいないし、馬鹿らしいと思いました。

 ただ、僕にとって印象的だったのは、差別的な言動よりも、この時代では、黒人と白人であらゆるものが別々になっていることをみんなが普通のことと思って生活していることでした。

 今の僕たちから見ると異常な時代ですが、たった50年ほど前の時代には差別のある社会が当たり前だったなんて本当におどろきです。

この話が実話はなんて、信じられないくらいでした。

 キャサリンたちが、差別について、上司のハリソン本部長に訴えた時、ハリソン本部長は「NASAでは小便の色が誰でも同じだ」と言って白人用トイレの表示をハンマーで壊すシーンがあり、そこは少し感動しましたが、後から考えると、ハリソン本部長は差別をなくそうとしたわけでなく、キャサリンが優秀で部下として必要だったので、単にトイレが近くにあった方が良いと思っただけだったのかもしれません。

 映画の中でキャサリンが、ある人から「君のような女性がNASAで仕事をしているなんてすごいね」と言われて、「私がこの仕事をできているのは黒人女性だからではなく、メガネをかけているからよ」と切り返しました。

 人種差別ではなく、能力があるから仕事をしていると言いたかったのだと思いますが、うまいことを言うなと思いました。

 最後に、マーキュリー・アトラス6号いうロケットを打ち上げた時、キャサリンが正確に計算をして、着地も成功し、ハッピーエンドでよかったなと思いました。

ドリーム1.jpg

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