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映画「帰ってきたヒトラー」鑑賞文ご紹介

2017/04/09

映画「帰ってきたヒトラー」鑑賞文

2月に、中3の生徒が鑑賞しました。ヒトラーが現代のベルリンに甦り、モノマネ芸人として大ブレイクするのですが、いつしか再び大衆の支持を集め始めてしまう・・・という内容です。出だしはコメディーですが、ラストは辛辣です。

【注意】鑑賞文は時に映画の重要な内容や結末に触れる場合がありますので、お気を付け下さい。中3 I君  「今、この映画の危惧している事が起きている。」僕はこの感情を一番に感じた。  この映画は1945年に死んだはずのヒトラーが現代のドイツに戻ってくるという設定の物語である。テレビ会社を解雇された記者のザヴァツキの推薦でテレビ番組に出演し、人気を集めるが、犬を撃ち殺した映像を取り出されクビになってしまう。そんな時でもドイツ全国を回って、人々の不満を聞いていく。この場面では実際に普通の民間人の意見なのでとてもリアルであり、こんなに不満を持っている人がいるのかと驚いた。さらに不満の多くは外国人の流入についてであった。これこそがヒトラーにとって一番不満をあおりやすいポイントである。僕が「この映画の危惧している事が起きている。」と感じるのはこの外国人流入の不満をあおっていくやり方をアメリカ大統領のトランプ氏が現実に行っているからである。  映画の最後の台詞「好機到来だ」にはぞっとした。トランプ大統領にとって今はまさに「好機到来だ」なのだろう。  しかしそれよりもっと恐ろしいと感じるのはそのような人物を指導者に指名してしまう国民である。映画の中には「私を選んだのは国民たちだ。私は人々の一部分なのだ。」というヒトラーの言葉がある。この言葉に含まれているメッセージは、不満をあおりさえすればいつの時代でもヒトラーのような人物が出てくることができるということだと僕は思う。  そして映画全体のメッセージでもあると思う。だからこそ簡単に自国第一主義や排外主義をとってはいけないと思う。

20170409 帰ってきたヒトラー.jpg

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