ニュース

海洋アライアンス編『海洋教育のカリキュラム開発』刊行

2016/01/06

先日、東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センター編『海洋教育のカリキュラム開発-研究と実践-』が刊行されました。同書「はじめに」において、海洋アライアンスセンター長の田中智志先生は、本書について次のように述べられています。以下部分引用。

「本書は、日本ではじめて編まれただろう、海洋教育のカリキュラム集である。本書の中心は、学校教育や社会教育の分野で、これまで意欲的に海洋教育に取り組んでこられた方々の実践である。私たちがこのような本を作ろうとしたのは、実際に海にかかわる仕事に携わっていなくても、また海から遠く離れたところに住んでいても、「海洋」(海)が私たちの生活に深くかかわっていることを、子どもたちに、そして教育関係者にぜひ知ってもらいたい、と考えたからである。(中略)海洋教育を創出するための礎は、人間形成としての海洋教育の理念を、海洋の科学者と教育の研究者が共有することである。
 私たちは、今も、この人間形成としての海洋教育の理念を構成するという試行の途上にあるが、本書で、仮説的ながら、その理念を提案している。それは、端的にいえば、「海との共生」という理念である。これは、海洋を、私たちのいのちを支える大いなる恩恵(贈与)として位置づけ、私たちが海とともに生きることはこの恩恵を享受しつつ活用することである、と考えることである。
 海洋がすべての私たちにとって大いなる恩恵であり、私たちが海とともに生きていることは、未来社会を構成する子どもたちが、深く感受すべき事実であるが、この事実は、それを言葉にして伝えればそのまま伝わる、というものではない。この事実は、たとえば、海浜・海底のゴミ問題、海流・海温の変化が気候に与える大きな影響など、科学的な認識を、子どもたち自身が、具体的な〈活動〉を通じて経験し体感することで、はじめて伝わってゆく。その意味では、近年、あらためて注目されている「アクティブ・ラーニング」は、まさに海洋教育のためにあるような言葉である。(中略)
 本書を手にとった方々が、私たちの試みに少しでも関心をもたれることを、そして、できることなら、私たちと一緒に海洋教育のカリキュラム作りに参加してくださることを、心から願っている。」

本校も海洋教育の実践の一つとして、「第17章 逗子開成中学校・高等学校の海洋教育実践」というタイトルで、「ヨット帆走と遠泳を通した人間形成」をテーマにした文章を寄せています。

http://rcme.oa.u-tokyo.ac.jp/reports/post875.html

20160106掲載用.jpg

カテゴリー :
海洋人間学

カテゴリ

最新の記事

アーカイブ

ページトップへ戻る