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金沢文庫で地域の歴史を考える

2014/07/10

去る7月5日(土)に、中1~高1の有志11名が土曜講座「そうだ!博物館へ行こう!!」③

にて金沢文庫を訪れました。当日9:00、称名寺赤門前に集合しました。

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集合後すぐ、小雨が少し降る中、境内フィールドワークです。

事前に配布した元亨3(1323)年に描かれたとされる『称名寺絵図』の模写図コピーをもとに、

現在の景観と当時の景観を比較しながら自由に歩いてもらいました。鐘楼の場所が違って

いたり、お墓の主が入れかわっていたり、金堂奥の空間は何もなくなってしまっていたり・・・。

たくさんの発見があります。当時の景観を何となく思い描くことができたところで、館内へ。


学芸員の山地先生にご解説していただきました。

早々に「能見台(堂)」「金沢文庫」「金沢八景」の三つの地名の説明から「金沢文庫」という

場所について、中学生でも分かる言葉でご説明いただきました。

そして、金沢文庫がある六浦の海と逗子開成の目の前にある逗子・鎌倉の海との違いを論

じることから、六浦が鎌倉の外港として存在していたことをご紹介していただきました。また、

「歴史を好きな人は地名を覚えて欲しい」「実物資料を見る際には、説明文を読む前に本物

をじっくり見ること」など、随所に「歴史学」につながる大事なご指摘も中学生へのメッセージ

としてちりばめていただきながら、ご説明していただきました。

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そして、今回の目的である企画展「動乱の金沢~南北朝から戦国時代まで~」を見学させて

いただきました。こちらも山地先生から懇切丁寧なご解説!

金沢文庫古文書は、紙背文書として有名で、裏紙を使うことで現在に伝わった稀有な文書群

を含みます。具体的な手紙の内容にも踏み込んでいただきながらご紹介していただきました。

また、後北条氏や里見氏の虎や鳳凰の印判状を見ることの楽しさ、そして花押の比較や変化

などについて、文書の内容ばかりではなく、「花押」の「かたち」の楽しさに注目することも教え

ていただきました。参加生徒の中には、足利氏の「花押」の形が似通っていることに疑問を抱

き、率直に質問をしている生徒もいました。

様々な史料についてご解説をいただきましたが、印象的であったのは、「勉強すればするほど

知らないことが増えてくる」「そこが楽しい」というメッセージです。参加した生徒たちは、とても

恵まれた時間を過ごすことができたことと思います。

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貴重な研究の時間を割いてご案内いただいた山地先生、向坂先生はじめ金沢文庫の皆様方

にお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

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