本日朝から中学校3年生生徒の間では、タイトルのような会話がかわされていた
そうです。「ウナギだよね、ウナギ」同じような会話が中3職員室の教職員の間でも。
一体なぜ「ウナギの日」なのかというと、総合学習の一環で行われた「大学出前授
業」にて「ウナギの話」という授業があったからでした。
この出前授業は、大学とはどんな場所なのか、また物事を深く探求することのおも
しろさとはどんなところにあるのか、などについて中3生徒たちに知ってもらいたい
がために企画されたものです。
講師としてお越しいただいたのは、東京大学大気海洋研究所の青山潤先生です。
青山先生は、『アフリカにょろり旅』や『うなドン 南の楽園にょろり旅』などの著作で
も大変有名な先生です。
出前授業では、「うなぎの生態」や「うなぎ研究の歴史」を分かりやすくご紹介いただく
ところからスタートしました。
そして、「ウナギの耳石をしらべる」「ウナギレプトセファルスの全採集記録」「新月仮説」
「海山仮説」などをご紹介いただきながら、「うなぎ大回遊」の謎について中学校3年生
にも分かる言葉でご説明いただきました。
青山先生のご師匠塚本勝巳先生の到達された業績の、さらなるその先へのご関心
についても話され、次から次へと生まれる研究上の疑問に挑んでいくことの楽しさが伝
わってきました。
また、様々な「ウナギ」を求めて世界各地をまわられたお話やその時に撮影された写真
は、多くの生徒を惹きつけていました。
「一体何の役に立つんですか?」「なぜそこまでやるのですか?」という問いに対して、
「具体的には何の役にも立ちません」「面白いだけじゃだめですか?」と答える青山先生。
一方で、社会貢献の模索や岩手県大槻町にある先生の現在の職場を通してみた震災
後の現状についてもご紹介されていました。
出前授業終了後の質疑応答では、次から次へと質問が。
「研究上のマッターホルンは、どんな研究分野でもあてはまるのですか?」
「GPSを使ってウナギ研究にいかすことはできないのですか?」
「先生にとってうなぎとは?」
「絶滅危惧種になって捕獲できなくなるのですか?」
「一番おいしいうなぎは?」
などなど尽きることがありませんでした。特に「先生にとってのうなぎとは?」という問い
に対して、「しょせんうなぎです」と言い切られ、「うなぎはおもしろいことの一つであり、
世の中にはもっと面白いことがたくさんある!」と続けておっしゃられていた姿が印象的
でした。
また、終了後には、お持ちいただいた、いまここにしか存在しないというウナギの卵や
レプトセファルスの実物をひと目見ようと、生徒達が先生のまわりに群がっていました。
講演終了後30分にもわたって先生との対話を楽しむ生徒が多くいました。
最後は「ホームルームです」との学年の先生の言葉によって、走って教室へ。
生徒によって捉え方や感じ方は様々だと思いますが、
「学問の入口」や「研究することの面白さ」は伝わったはずです。
これからの勉強を頑張ることができそうかな?