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創立110周年記念講演会「宇宙と私たちの未来」 

2013/10/22

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 2013年10月21日(月)、逗子開成創立110周年記念講演会が全校生徒・教職員を対象に、本校体育館を会場に行われました。

 講師は、映画「はやぶさ」で西田敏行さんが演じた的場泰弘のモデルとなった 的川泰宣先生です。

 的川先生は、ミューロケットの改良や数々の人工衛星の誕生、ハレー彗星探査計画の中心的メンバーとして活躍され、初代の宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙教育センター長として広報と教育活動にご尽力なさいました。現在もNPO法人「子ども・宇宙・未来の会(KU-MA)」を設立し、会長として宇宙を通じて子どもたちの未来に夢を与える活動を続け、「宇宙教育の父」と呼ばれている方です。

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 的川先生の講演は、110年前の世界が見た日本の姿から始まりました。「日本の存在がほとんど知られていなかった時代から20世紀後半には日本人が「Economic Animal」と称されるほどの経済大国になった。

しかし、人間でなくAnimalとは何て侮蔑的な表現だろう。」と先生は語ります。

ここから、様々な宇宙や技術開発に関するお話をなさいました。 2度の打ち上げ延期の末9月14日に打ち上げられたイプシロンロケットの裏話では、世界初のコンピュータによるチェックシステムに取り組んだプロジェクトマネージャーの森田氏の「周囲の声に惑わされず、信念を貫き、最後までやりきる」姿勢こそが、打ち上げ成功につながったということです。

 

 宇宙から見た地球、太陽の様子、月と人々の文化、宇宙の誕生と宇宙のいのち・・・。様々な題材を通じて先生はおっしゃいました。「宇宙とはね、上下四方の"宇(空間)"と往古来今の"宙(時間)"のことで、すべての存在が宇宙なのです。私たちも宇宙の中で生きているのです。」「私たちのいる太陽系は大きな銀河系のほんの一部。私たちの命は宇宙の片隅にひっそりとある」と。

 

 「はやぶさ」が小惑星イトカワから帰還する映像や的川先生が作詞された歌「未来(ゆめ)をのせて −はやぶさの軌跡− 」も紹介されました。さらに金子みすゞさんの詩も引用されて、「いつも空や月や星を眺めよ。それは宇宙の壮大な歴史を語っている。その宇宙の中に地球をおき、宇宙の中に自分をおく。自然の中で心を鍛えよ。」と言われました。 

  再び冒頭の話に戻ります。「Animalだった日本人は、21世紀になって「日本人の心」が世界中で絶賛されるようになりました。さらにこれからの110年は新しい日本人を輩出する時代です。

"受け"から"発信"へ、"もらう"から"貢献"へ。挑戦の心を持って一人一人が主体的にやろうとすることが大切。センスを磨いて、新しいことにチャレンジする心が道を開くことにつながります。」と全校生にエールを送っていただき、1時間30分の講演はあっという間に終了となりました。

 

 的川先生、ありがとうございました。

 

 創立110周年のスローガン「未来の海に船を出せ!」

カテゴリー :
110周年トピックス

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